エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

セミが鳴いた・・・うれしい

2011年08月03日 | 日記
今、車軸を流すような雨が降っている。
スコールである。

午前中の曇天と蒸し暑さは無くなって涼しさが増している空気である。

午前中、散歩していたのである。
少し深い林の向こうでセミが鳴いてくれた。



うれしい。
上を見上げてセミを探して歩いた。
すると向こうの人も、黙ったまま上を見上げている。

だがしかしセミは見つけられなかった。
帰路、セミが死んでいた。



彼は十分に鳴いたのであろうか。
心配になってしまった。



横断歩道の脇の木陰にセミの抜け殻があった。
この抜け殻の主は鳴いているだろうか?

そうであってほしい。
いつもの散歩道の、短いドラマである。



そこらじゅうで「ヘクソカズラ」が咲いている。
花を摘んで、指先で潰してみると良い。

すさまじい臭さである。
「屁糞かずら」のネーミングに納得である。



朝顔のラッパの中で、ハチが蜜を吸っている。
そう・・・確かに甘いのである。

子どもの頃、花を摘んでチュウチュウ吸ったことを思い出した。
忘れていたことなどを思い出す時間が多くなった。

確実に、ぼくの生きる時間が短くなって来ている。
死に急ぐ事も無いけれど、生きのびることに拘(こだわ)ることもないのである。





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 荒野人

清冽なワサビ田の湧水

2011年08月03日 | 旅行
ワサビは清冽でいて清浄、かつ滑らかな流れを持って良しとする。
それは人の素肌では耐えきれないほどの清冽さである。



湧水でなければならず、水は11℃から、温んでも15℃を超えてはならないのである。
氷が溶けて、水が温むのはいけない。
鮒っ子だの泥鰌っ子だの春が来たなと思うべな・・・はいけないのである。

従って、夏の日差しは大敵であるのだ。



こうしてネットで覆ってやらねばならない。
実に手間暇かけた栽培である。

「こんちくしょう!こんちくしょう!」と心で唱えて摺(す)り下ろさなければ、あの鼻に抜ける辛さが出ない・・・と言われるのだけれど、それは栽培農家の苦労を思うとそうもいかず・・・である。



実に美しい田である。
わさびは、アブラナ科ワサビ属の植物で日本原産である。



山間の渓流の砂礫(されき)地に生えるのである。
従って、そうした環境の中でワサビ田を開墾するのである。



古くは奈良時代、718年に出された「賦役令」(現代の法人税法施行令に相当)の中に「山葵」(わさび)の名前が見られる。
土地の名産品としてすでに納付され、薬用として使用されていたと考えられるのである。



ワサビ田は、ここ長野県の穂高(ほたか)など南安曇(みなみあずみ)郡一帯をはじめ、全国各地の山間地で栽培されている。
長野以外で有名なのは、もちろん静岡県である。

伊豆の天城(あまぎ)山周辺、安倍(あべ)川上流がワサビ田の点在する場所である。
伊豆半島の山あいを走っていると、放置されたワサビ田などもあって、山の良い雰囲気を容(かたち)つくっている。



これはワサビの花である。
白い可憐な気配である。

花言葉は
「目覚め」
「うれし涙」
「貞節」である。

確かに、ワサビの辛さは目覚めさせてくれる。
そうして涙が溢れてくる。

貞節はどんな意味合いで名づけたのか不明である。







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