エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

勿忘草・・・わすれなぐさ

2015年04月11日 | ポエム
忘れな草。
なんという美しくも、悲しいオマージュだろうか。



悲しい物語があってその物語が花の名前になっている。



ぼくは、この歌が大好きである。
去年のこの季節、同じように書いた記憶がある。



Non Ti Scordar Di Me - Andrea Bocelli & Domingo










「屈み見る勿忘草の濃き化粧」







昔、騎士ルドルフは、ドナウ川の岸辺に咲くこの花を恋人ベルタのために摘もうと岸を降りたが、誤って川の流れに飲まれてしまう。
ルドルフは最後の力を尽くして花を岸に投げ、„Vergiss-mein-nicht!“(僕を忘れないで)という言葉を残して死んだ。
残されたベルタはルドルフの墓にその花を供え、彼の最期の言葉を花の名にした。



Pavarotti - Non ti Scordar di me (Central Park Concert)




このような伝説から、この花の名前は当地ドイツで Vergissmeinnicht と呼ばれ、英名もその直訳の forget-me-not である。



花言葉は・・・。
「真実の愛」「私を忘れないで」だ。

最初の動画はドミンゴとボッチェリ。
二つ目は、パヴァロッテイである。

とりわけ、ドミンゴとボッチェリを聴いたとき滂沱(ぼうだ)として流れる涙を知った。
パヴァロッテイの歌声には、恍惚を体感するのである。



    荒 野人