「私はそれをあなたの耳に入れ、ここに座っている人たちと私の民の長老たちの前で、それを買ってくださいと言おうと思ったのです。もし、あなたがそれを買い戻すつもりなら、それを買い戻してください。けれども、もしそれを買い戻さないのなら、私にそう言って知らせてください。あなたを差し置いてそれを買い戻す人はいません。私はあなたの次です。」(ルツ記4:4新改訳)
ボアズは昨夜のことを通し、ルツをどうしても欲しいと思ったであろう。しかし、彼はどこまでも神をおそれ、第一にする信仰者であった。すなわち、律法によればナオミの土地を買う権利は別人が持ち、その人を差し置いて行動することはゆるされなかったのだ。こうして判断は別人の気持ちにゆだねられたが、彼は途中であきらめ、ボアズに権利をゆずったのであった。▼ここにもすべてを支配し、運んでおられる神のみわざを認めることができる。私たちは、無理をしてでも自分の希望を押し通したい誘惑にかられることがある。しかしそこで一歩退き、すべての結果を全能者に手におまかせする謙遜と誠実さが必要なのだ。御名があがめられるために。▼「娘さん、主があなたを祝福されるように。あなたが示した、今回の誠実さは、先の誠実さにまさっています。あなたは、貧しい者でも富んだ者でも、若い男の後は追いかけませんでした。娘さん、もう恐れる必要はありません。あなたが言うことはすべてしてあげましょう。この町の人々はみな、あなたがしっかりした女であることを知っています。ところで、確かに私は買い戻しの権利のある親類ですが、私よりももっと近い、買い戻しの権利のある親類がいます。今晩はここで過ごしなさい。朝になって、もしその人があなたに親類の役目を果たすなら、それでよいでしょう。その人に親類の役目を果たしてもらいましょう。その人が親類の役目を果たすことを望まないなら、私があなたを買い戻します。主は生きておられます。さあ、朝までお休みなさい。」(ルツ記3:10~13、前夜にボアズが畑地でルツに約束した言葉)