しげる牧師のブログ

聖書のことばから、エッセイを書いています。
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朝の露 <愛する兄弟として>

2025-01-11 | ピレモン書
「もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、愛する兄弟としてです。特に私にとって愛する兄弟ですが、あなたにとっては、肉においても主にあっても、なおのことそうではありませんか。」(ピレモン書16新改訳)

オネシモは、主人のもとを逃げ出した、いわゆる逃亡奴隷であったが、ローマでパウロに会い、回心してキリスト者になった。▼そのオネシモを、どうか奴隷から解放し、自由民として私に仕えさせてもらえないだろうか。パウロは主人であるピレモンに、そのゆるしを与えてほしいと、この手紙をしたためてオネシモに持たせたうえ、送り返したのである。▼ピレモンからみれば、パウロは異邦人世界の教会を担(にな)う大指導者であった。しかしそのパウロが、一信徒にすぎないピレモンに愛をもって懇願(こんがん)している、本書のうるわしさはそこにある。たぶんピレモンはこの手紙を受け取って感動し、ただちにオネシモをゆるして、ふつう市民に戻したのではないかと思う。▼福音のゆえに獄につながれたパウロの心を満たしていたのは、キリストの愛以外になかった。