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厨火力

わたしのお花畑~

M14

2008-08-09 22:56:02 | 銃火器云々
正式名称は「スプリングフィールドM14」。聞いてわかる人にはわかりますが、9mm弾系自動拳銃で有名な造兵廠のスプリングフィールドのバトルライフルです。

バトルライフルとアサルトライフルの区別はまちまちですが、一般的にバトルライフルは大口径弾を使用していて、銃身が長い銃を指します、

今回MGS4に登場したMk.17もM14と同じ7.62mmNATO弾を使用しているのでこの定義には当てはまる感じもします。銃身はカービン銃並みに短いのですが、そこら辺はどうなのでしょうか。

M14は第二次世界大戦に活躍したM1ガーランドを元に設計され、様々な会社の試作ライフルたちに競り勝ち、1959年に量産品がアメリカ陸軍に渡されました。

7.62mmNATO弾を装弾数20発のマガジンで、しかもフルオートもできるという強力な銃ですが、奇しくも使用されたのがベトナム戦争。初期生産版は木製ストックであるため腐食は膨張といったトラブルが相次ぎました。これを受けてファイバーストック版が製造されましたが、前線に行き渡るまでにM14自体の配備が中止してしまいました。

何よりM14の配備中止を加速させた銃はM16です。初期のM16は整備を怠ると弾詰まりを起こしやすいという欠点があり、5.56mm弾も7.62mmNATO弾より貫通性、ストッピングパワーが弱いという傾向にありました。それでも5.56mm弾のフルオート発射は制御が容易で、接近戦主体のベトナム戦争では有利な点だったといえます。

しかし、M14は今でもなおM21として使用されています。M14自体は射程が500m程度と長く、アサルトライフル(突撃銃)というよりスナイパーライフル(狙撃銃)の性格が強い銃でした。銃の形を見てもそのことが窺えます。そのため狙撃銃の特性を強化した(セレクターを除去など)M21という銃が生まれました。映画の「ブラックホークダウン」でも活躍しています。といっても、ドラグノフSVDやPSG-1、M700のような待ち伏せ狙撃に使用する銃でなく、あくまで最前線の野戦狙撃銃として使用されます。G3SG/1やステアーAUGなどが同じような性格の銃だと考えれば想像しやすいかもしれません。

M1Aという民生版の派生型でSOCOM16というもあります。これは銃身を22インチから16.25インチまで切り詰めた、所謂カービンモデルです。M1Aの派生型なのでフルオート機能は付いていません。7.62mmNATO弾はAK-47に代表される7.62×39mm弾と違い、18.5インチ以下の銃身だと発射のエネルギーが抑えきれず、フルオート掃射の制御などほぼ無理です。そのためマズルブレーキのために独特なフラッシュハイダーがつけられています。現在ではフラッシュハイダーの改良が進んでいるため、たとえ銃身が短くとも大口径弾の制御も容易だといいます。もしSOCOM16がベトナム戦争で配備されていれば。フルオート掃射よりセミオートの一撃必中の理念が強かったなら、近接戦闘での無類のパワーを誇る7.62mmNATO弾を装弾したSOCOM16が戦場を支配したでしょう。

余談ですが、電動エアーガンで有名な東京マルイはSOCOM16(M14 Based M1A SOCOM)をM14 SOCOMという名前で販売しています。マウントベースが標準装着の上、装弾数が多くて扱いやすいと評判です。日本人にはちょっと大きめの銃ですが、ガッチリした体格&大柄なら十分扱えると思います。僕は無理ですね。(身長160cmちょっとでは^^;

備考:7.62mmNATO弾は7.62×51mmで、AK-47に使用される7.62×39mm弾とは別のものです。インチ口径はどちらも.308と表記されますが「NATOと付いたら弾丸の長さが51mmと長い」と覚えておくといいでしょう。

ちなみに写真は前述したM1Aです。セレクターがないです。

最後に、M14もM16も改良されて初めて良銃といわれるものになっていますから、ベースガン(祖体の銃)の重要性というのが歴史を見ることによってよくわかるなぁと調べていて感じました。





使用しているのはM14 EBR。M14の近代カスタムです。MGS4でスネークが使用したのとほぼ同型です。サイレンサーも同じか近い形のものを使用しています。
始めの3発が通常の7.62NATO弾、つまりスーパーソニック弾(超音速弾)です。弾速が速くて殺傷能力に優れます。
あとの4発はサブソニック弾(亜音速弾)。弾丸が重かったり、火薬の量が少なかったり、弾頭が平らになっているなどの特徴がある弾です。この動画ではさらに消音性を上げるためオートマチック機能をキャンセルされている弾を使用しています。手動で排莢と給弾を行います。リスクとして通常弾より威力は格段に落ちてしまうということが挙げられます。連射もできません。
通常弾では「ピシャァァァン!」と甲高い音がしていますが、サブソニック弾では「ピシィン」とか細い音になっています。
採音はカメラと同じ位置だと思いますが、サイレンサーの意味は何より発射方向への音の軽減と周囲への拡散防止ですから、本当はターゲット付近で採音してほしかったです。
周りの観客が音の違いに驚くのもまた動画のミソになっています。良い動画です。
2008 12/5(金)動画追加
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