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「日本=貿易立国」論への疑問~なぜ、安く売って高く買うのか?

2011-02-16 19:00:11 | Weblog
「日本=貿易立国」論への疑問~なぜ、安く売って高く買うのか?~――熊野英生・第一生命経済研究所 経済調査部 主席エコノミスト(ダイヤモンド・オンライン) - goo ニュース

日本は貿易立国だと信じられている。本当に、日本は貿易だけで食べて行けているのだろうか。

 こうした話をすると、「輸出主導の景気回復」とか、「日本の活路はグローバル化」と言うではないかと反論する人はいるだろう。筆者もそれは否定しない。製造業は、好調な中国経済の恩恵を受けられるように輸出に力を入れて、収益確保を果たすことが望ましい。

 一方、輸出だけで日本経済全体が経済成長を果たせるかというと、それは輸出を過大評価し過ぎている。

 なぜならば、日本の輸出依存度は、他国に比べてそれほどウエイトが大きくなく、牽引役としての限界があるからだ。国内総生産(名目値)に占める輸出の割合がどのくらいかを各国別に調べてみよう。

 筆者が集めた70ヵ国のデータで比較すると、日本の輸出依存度の順位は58番目と低い(図表1参照)。実は、米国は日本よりも輸出依存度が低くて 67番目。日本は、輸出依存度が高くなく、かつ米国のように内需拡大で景気を牽引していける国とも違う。日本は、外需をテコにして内需を拡大させるしか、本格的回復に道筋がないところが悩ましい。

さらに問題になっているのは
輸出側では電気機械などが輸出品のプライスダウンをするために、「価格×数量=売り上げ」で見て、数量増ほどは売り上げが伸びにないことが原因である。日本の輸出品目の7割を占めている自動車・電気機械・工作機械などの加工業種は、コストダウンによって競争力を発揮する。

 一方、輸入側では、食料・原材料・鉱物性燃料が国際商品市況の高騰によって価格上昇し、輸入数量を増やせないまま、輸入金額だけが大きく膨らんでいる。そのため、輸入は名目GDPよりも実質GDPが大きく下回るような状況になっている。

 つまり、日本は輸出では製品を安く売り、輸入では原材料などを高く買っていることになっており、全体の採算性は悪化していることを意味する。

輸入価格が上がったら、それを輸出価格に転嫁しても売ることができる力をつけないと日本はますますじり貧になるのではないでしょうか。