「無理やり」でも笑って認知症予防を(医療介護CBニュース) - goo ニュース
「無理やり」にでも高齢者に笑ってもらうことで笑いの回数が増え、それが認知症の予防につながる可能性がある―。阪大大学院医学系研究科公衆衛生学の大平哲也准教授は、高齢者らを対象に行った笑いと健康に関する研究に基づいてこう提言している。無理やりにでも笑うことに果たして効果があるのか、また、笑いがなぜ認知症予防につながるのか、大平准教授に聞いた。
―そもそも「無理やり」にでも笑う必要があるのでしょうか。
「笑う」という行動は、できるのが当たり前だと思われるかもしれませんが、実は、耳で聞いたことを脳内で一瞬にして理解するなど、高度な認知機能が要求されるものなのです。しかし、高齢者の中には認知機能が低下してしまい、笑う機会が少なくなっている人もいます。ですから、そういう方にもどんどん笑いの機会を増やしてもらえるよう、わたしは「笑いヨガ」というものを推奨しています。
―「笑いヨガ」とはどういうものですか。
笑いヨガは、簡単な運動とヨガの呼吸法とを組み合わせたもので、具体的には「あーはっはっはっは」などと声を出して笑うエクササイズです。何か面白いものを見たり、面白い話を聞いたりするものではないので、一人でも気軽にできます。また、施設などで「声を出して笑うのは恥ずかしい」と思っている高齢者でも、皆と一緒に施設の運動プログラムの一環として行えば、自然に声を出して笑うことができるのが、特長だと思っています。
―笑うといっても、「無理やり」のように思うのですが、効果はあるのですか。
もちろん、漫才や落語を聞いたり、テレビ番組を見たりして「楽しいから笑う」というのが本来の姿でしょう。しかし、先ほど述べた理由から、なかなか笑うことのできない高齢者も少なからずいます。
ですから、最初は無理やりにでも笑いを運動プログラムなどに組み込む、ということでいいのだと思います。「無理やり笑って効果があるのか」との指摘も聞きますが、実際に笑っていると高齢者も何となく楽しい気分になり、笑いの回数が自然に増えていきます。後で説明しますが、それは結果的に高齢者の精神状態や健康状態の改善、認知症の予防などにつながる可能性があるのです。
―「笑うから楽しい。楽しいから自然に笑う」という好循環につながるんですね。
それだけではありません。笑うことで現場の介護職員や家族も楽しく介護することができ、高齢者とのコミュニケーションが円滑に進むようになったり、職場の雰囲気が明るくなったりする効果も見られると聞きます。高齢者、介護職員の両方にプラスに働きますので、介護や医療の現場で働く皆さんにはぜひとも、「笑い」を積極的に取り入れたケアを実践してほしいなと願っています。
無理やりにでも笑ってもらって笑うことを習慣付けることは年をとるにつれてとても重要になると思われます。
もちろん若い人でも効果はあるのでしょうね。
「無理やり」にでも高齢者に笑ってもらうことで笑いの回数が増え、それが認知症の予防につながる可能性がある―。阪大大学院医学系研究科公衆衛生学の大平哲也准教授は、高齢者らを対象に行った笑いと健康に関する研究に基づいてこう提言している。無理やりにでも笑うことに果たして効果があるのか、また、笑いがなぜ認知症予防につながるのか、大平准教授に聞いた。
―そもそも「無理やり」にでも笑う必要があるのでしょうか。
「笑う」という行動は、できるのが当たり前だと思われるかもしれませんが、実は、耳で聞いたことを脳内で一瞬にして理解するなど、高度な認知機能が要求されるものなのです。しかし、高齢者の中には認知機能が低下してしまい、笑う機会が少なくなっている人もいます。ですから、そういう方にもどんどん笑いの機会を増やしてもらえるよう、わたしは「笑いヨガ」というものを推奨しています。
―「笑いヨガ」とはどういうものですか。
笑いヨガは、簡単な運動とヨガの呼吸法とを組み合わせたもので、具体的には「あーはっはっはっは」などと声を出して笑うエクササイズです。何か面白いものを見たり、面白い話を聞いたりするものではないので、一人でも気軽にできます。また、施設などで「声を出して笑うのは恥ずかしい」と思っている高齢者でも、皆と一緒に施設の運動プログラムの一環として行えば、自然に声を出して笑うことができるのが、特長だと思っています。
―笑うといっても、「無理やり」のように思うのですが、効果はあるのですか。
もちろん、漫才や落語を聞いたり、テレビ番組を見たりして「楽しいから笑う」というのが本来の姿でしょう。しかし、先ほど述べた理由から、なかなか笑うことのできない高齢者も少なからずいます。
ですから、最初は無理やりにでも笑いを運動プログラムなどに組み込む、ということでいいのだと思います。「無理やり笑って効果があるのか」との指摘も聞きますが、実際に笑っていると高齢者も何となく楽しい気分になり、笑いの回数が自然に増えていきます。後で説明しますが、それは結果的に高齢者の精神状態や健康状態の改善、認知症の予防などにつながる可能性があるのです。
―「笑うから楽しい。楽しいから自然に笑う」という好循環につながるんですね。
それだけではありません。笑うことで現場の介護職員や家族も楽しく介護することができ、高齢者とのコミュニケーションが円滑に進むようになったり、職場の雰囲気が明るくなったりする効果も見られると聞きます。高齢者、介護職員の両方にプラスに働きますので、介護や医療の現場で働く皆さんにはぜひとも、「笑い」を積極的に取り入れたケアを実践してほしいなと願っています。
無理やりにでも笑ってもらって笑うことを習慣付けることは年をとるにつれてとても重要になると思われます。
もちろん若い人でも効果はあるのでしょうね。