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天気 朝から荒れ模様
角田光代 作 : 夜かかる虹
を、よみました。
一冊の中に、表題作の夜かかる虹と、草の巣という
二つのお話が入った本。
表題作は、ある姉妹の物語。
姉フキコと、妹リカコは瓜二つのそっくり姉妹。
しかし、性格は正反対で姉フキコは後から生まれてきて
皆の愛情を独り占めにする、リカコをおぞましいほどに憎んでいます。
妹は、同じ顔なのに誰からも愛されて、私は同じ顔なのに
決定的なものが欠けていて、人はそれを鋭く嗅ぎ分けると
フキコは思っているのです。
作品といしては、人間が思い込んだり、執着したり、恨んだりする
情念が、克明に描かれていると思うのですが
描かれ過ぎて、くら~い気持ちになりそうでした。
あるブログで、角田光代はもう二度と読みたくない!と
コメントしている人がいたのですが、もしかして一冊目が
この本だとすると、その気持ちわかります。
初角田の方には、もっと明るめの本をススメします。
私にとっては、金原ひとみがその作家に当たるのですが
よ~く考えてみると、それほどの異臭を作品に漂わせる事が出来る
作家さんって、凄いですね。・・・・私好みではないというだけです。