Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

沙高樓綺譚(さこうろうきたん)

2007年01月16日 20時21分06秒 | ベリーの感想文(本・映画)
沙高樓綺譚

徳間書店

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天気     あさからときどき

浅田次郎 著 : 沙高樓綺譚
を、よみました。

「沙高樓へようこそ。今宵もみなさまがご自分の名誉のために、
また、ひとつしかないお命のために、あるいは世界の平和と
秩序のためにけっして口になさる事のできなかった貴重な
ご経験を、心行くまでお話し下さいまし。お話しになられる方は
誇張や飾りを申されますな。お聞きになった方は、夢にも
他言なさいますな。あるべきようを語り、巌の王に胸にしまう事が、
この会合の掟なのです。」

青山墓地のほとりにそびえる高層マンションの最上階
沙高樓では、都会の夜景を一望しながら、不思議な会合
ひらかれます。そこに集まるのは各界の成功者である
紳士淑女。主催者は世界的に有名な貸しビル会社の会長
しかし彼は女装の姿で現れ、不思議な会合は始まります。

“小鍛冶” “糸電話” “立花新兵衛只今罷越候”
“百年の庭” “雨の夜の刺客”
 の5編の短編が
それぞれ沙高樓に訪れた、客達の口から
不思議な話し、怖い話し、衝撃の事実、などが語られます。

最後の物語、“雨の夜の刺客”は、今では3000人の子分を
束ねるヤクザの大親分になってしまった老人が
自分がヤクザになったその人生の分かれ道
打ち明ける作品です。いくつもの偶然が重なって
人生が形成されてゆく様と、人を殺しあう事もある
極道の世界に住む男の目から、生と死について語る
部分がとても心に残りました。

私だったら、こんなに凄い事聞いちゃったら
人に話したくて仕方なくなってしまうっ!!
こんな会合呼ばれちゃったら困るな~。と思いました。