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夜をゆく飛行機 中央公論新社 このアイテムの詳細を見る |
天気 もう春と勘違い
角田光代 著 : 夜をゆく飛行機
を、読みました。
下町に住む、四姉妹と両親の一年を見つめた物語。
主人公、谷島里々子は四姉妹の末っ子。
本当は自分の下に生まれるはずだった子を
母が流産し、里々子はそれからずっと、生まれて来なかった
子どもを男の子だったと信じ、心の中でひっそりと
“ぴょん吉”と名づけ、話しかけます。
一年という短い時間の中で、家族が大きく変わってゆく様を
末っ子の視点で語ったお話ですが
物語が進むに連れて、主人公も少しづつ変化します。
不幸だ、とか、幸せだ、というのは、線ではなくて
一瞬の点でしかなくて、その点が、どんな線を描き出すかは
誰にも分からない。
幸せは確かに点のような気がするけど、不幸も点だとしたら
それなら、結構耐えられる気がした言葉が綴ってありました。