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サウスバウンド 下 (3) (角川文庫 お 56-2) 奥田 英朗 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
天気 暑さ爽やか
奥田英朗 著 : サウスバウンド(下)
を、読みました。
東京都中野区という大都会から、沖縄県八重山諸島の
西表島に引っ越してきた上原一家。
引っ越しが決まって、3日後には石垣島に降り立つとういう
超スピード引っ越しにより、まるで夢のように南国の人となった
主人公の小学校6年生の二郎ですが
二郎を取り巻く現実は、東京以上に過激に進んでゆきます。
人懐っこいおじーや、おばーのかわいらしさ。
ユイマールの精神の、大らかさ。
誰と競うことなく、優しく過ぎる時間。
と、南の島の南国文化に心を癒されながらも
しかし、その中で新たな戦いを見出し(笑)
挑んでゆく父の、そして母の本当の姿を
シンプルな環境のなかで見つめることで
二郎の両親に対する、印象は大きく変わってゆきます。
私の知らなかった、八重山の歴史を教えてくれる
くだりがあったり、上巻とは違ったに面白人物満載で
さらに笑えたり、いろんな面白さを秘めた最終巻です。
はるか西表にサウスバウンドした、上原一家の結末は
意外な方向に、しかし安心して本を閉じることが出来る
エンディングでした。