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鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫) 浅田 次郎 集英社 このアイテムの詳細を見る |
天気 どこかに出かけたくなるような爽やか
浅田次郎 著 : 鉄道員(ぽっぽや)
を、読みました。
あまりにも有名な、この作品をまだ読んでなくて
この本の中に、この秋公開の映画、オリオン座からの招待状が
入っていると知り、いい機会と思い借りて読んでみました。
オリオン座からの招待状は、お互いに愛情が無くなってしまった
夫婦に、生まれ故郷の古びた映画館から、最後の上映会の
お知らせが届き、二人で出掛けてゆく物語。
懐かしい故郷で、二人の共通の思い出が、冷え切った関係を
溶かし始めそうな予感がする物語でした。
私が面白いと思ったのは、伽羅という物語。
あるブティックの美しい女店主と、アパレルメーカー営業マン
を描いているのですが、彼らの間には恋は始まらずに
物語は女性の持つ、恐ろしい念の強さを教えています。
また、アパレルメーカーの営業や利益の仕組みが
その世界にかかわった経験者である、ジローさんが
わかりやすく、書いていてとても勉強になりました。
シチュエーションはいろいろですが、主人公たちの
善意や正義感など、矜持が光っていた短編集でした。