コイノカオリ 角田 光代,島本 理生,栗田 有起,生田 紗代,宮下 奈都,井上 荒野 角川書店 このアイテムの詳細を見る |
天気 ときどき
角田光代 著 : 水曜日の恋人
を、読みました。
コイノカオリという、恋愛にまつわる香りをテーマにした
アンソロジーの、一番最初に収められた物語です。
主人公(中学生の私)は、母と母の恋人イワナさんとの
奇妙なデートが、毎週水曜日の夕方の決まりになっていました。
母と年下の恋人イワナさんは、デートの時いつも
同じシャンプーのにおいをさせていました。
どこか嘘くささのまじった、その匂いはこの奇妙な会合が
ごくあたりまえなものであると、主人公に思わせていました。
中学生の少女の細かな感情や、鋭い視点を
角田光代は、特有の飄々とした文体で表現しています。
そして成長し、大人になった私は凄いことを悟っています。
「私たちは、最初から一人なのに」
この主人公が、ニッコリと笑って、安心しながら心に思う
この感覚は、決して孤独と同意語ではないということを
この本を読んで、感じていただきたいと思います