角田 光代,松尾 たいこ 双葉社 このアイテムの詳細を見る |
角田光代 著 : Presents
を、読みました。(再読)
12のプレゼントにまつわる短編集。
前回読んだのは、早いもので3年2か月前
私が強く印象に残っているのは、一番最初の物語、
“名前”という物語で、ちょうど物語の季節と
まったく同じ季節に読んだので、風景などを立体的に想像できて
またさらに感動してしまいました。
今回、“名前”という作品とともに、心に残ったのは、
その次に収められた作品、“ランドセル”でした。
私自身の記憶や経験が、そのまま本になったのか?と、
錯覚するほど、幼児期の記憶や子どもながらに感じた絶望を
さらりと書き表してありました。
届いたランドセルの箱を見た時の緊張。
ランドセルの蓋を開けてみた時の、印象。
ランドセルの中におもちゃを沢山詰めて、しょってみた時の
重さと、幸福感。
あんなに幼かったのに、今考えると結構複雑な思いを抱えていた
あの日を、思いだす。まるでタイムマシーンのような作品でした。