Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

最後の家族

2009年10月14日 16時32分30秒 | ベリーの感想文(本・映画)
最後の家族
村上 龍
幻冬舎

このアイテムの詳細を見る

天気     秋の空きれい


村上龍 著 : 最後の家族
を、読みました。



東京の郊外、西所沢に住むある家族の物語。
中小企業の次長で、実直な父親。
その夫を支えるやさしい妻。
そして、その夫婦の一男一女の子供。
4人家族を、それぞれの視点で描いた、家族の物語。
ひきこもりの長男は、一体心の中では何を叫んでいるのか?
引きこもりの子どもや、兄弟を持つ人々は、
どう悩んでいるのか?そしてどんな対応をするのか?
引きこもり、経済状態の悪化。
社会の今を、家族の形に切り取った一冊。



久々に“村上龍”を読んだんですが、私が読み漁っていた
前記の作品とは、まったく感じが変わっていて、驚きました。


このお話は長男が引きこもりで、お父さんの会社がヤバくて
そんな事を軸に書かれているのですが、ラストもストーリー展開も
とても優しくいたわりを感じました。
私が読み漁っていたころの、村上龍作品はどこか破壊的で
じっと我慢していることが出来ない。そんな感じがしていましたが、
この作品の登場人物は、少しずつ思慮深さを獲得してゆきます。
物語自体は、おもいしろ楽しいものではありませんが、
それでも、それぞれが歩みだすラストになっていて、安心しました。


同じ作家でも、年を重ねることでこんなにも作品が変わるんだ。と
面白い発見でした。
ちょっと敬遠してた、村上龍の“半島を出よ”前後篇も
読んでみようかな??そう思いました。