薔薇盗人 (新潮文庫) | |
浅田 次郎 | |
新潮社 |
浅田次郎 著 : 薔薇盗人
を、読みました。
6編の物語を収めた短編集。
表題作の“薔薇盗人(ばらぬすびと)”は、
港の見える丘の上の、洋館に住む少年の書く手紙で
進んでゆく物語。
少年の父は、豪華客船の船長で、
一年の半年は航海に出ていますが
少年は心から父を尊敬していて。
尊敬する船長の父の言いつけで、
世界中の寄港地に、英語で手紙を書いています。
大きな屋敷に母と二人で住む少年の日課は
館の庭に咲き誇る、薔薇の手入れ
その手入れの相談や、日々の様子を書きつづる手紙には
彼の初恋の相談も綴られているのですが、
リトルロマンスの結果は、意外な方向へ・・・。
少年の純粋な心には映らない、意外な大人たちの恋。
可愛らしい勘違いを、数通の手紙に綴ってゆく
面白い物語でした。