Mrs.ベリーのVeryな一日

☆ミセス・ベリーのSmileダイアリー☆エレガントな女性目指してセルフプロデュース中(^v^)

すぐそばの彼方

2010年08月22日 14時20分33秒 | ベリーの感想文(本・映画)
すぐそばの彼方 (角川文庫)
白石 一文
角川書店
天気        34度がちょっと涼しく感じる私



白石一文 著 : すぐそばの彼方
を、読みました。


柴田龍彦は、次期総理大臣と目される代議士を父に持つ35歳。
父の秘書をしているが、所持金は周囲に厳しく管理され、
プライベートは、大の大人とは思えないほどの哀れさ。
物語の中で、たびたび回想される4年前のある事件。
その事件は、龍彦が他人に多大な迷惑をかけた事件だが、
中盤まで真相は細かく語られることはありません。
その事件をきっかけに、精神のバランスを壊した龍彦は
一体どんな悪事を働き、何を失ったのか?
事件の真相を読者が知り始めると同時に、
どんどんと以前の有能な自分を、取り戻してゆく龍彦。
しかし、自責の地獄から生還した彼は、
一体どんな未来を選ぶのか?


毎日ニュースでやってる、“政治と金の問題”。
常々ベリーが感じていたのは、
「どうしてそんなにお金が必要なの????」
という、素朴な疑問でした。
そんな疑問を一挙に解決してくれた作品です。
派閥や省庁、自分のテリトリーを広げ、守るため。
腹の探り合いで、優位に立つため。
議員として存在し、中心的な役割に上り詰めるほど
お金はいくらあっても足りないシステムになっているんですね。
覇権争いにこれほど神経使ってると、
国民のための政治なんか、後回しになっちゃうはずだね。
深く納得してしまった作品でした。


膨大なお金を使った、虚しいから騒ぎと
私たち市民の生活は、決して重なりあうことのない、
永遠の問題なのでしょうか?