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あの空の下で |
吉田 修一 | |
木楽舎 |
天気 今日も暑いよ34度
吉田修一 著 : あの空の下で
を、読みました。(再読)
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確かに読んだはずなのに、あまり覚えていなかったので
再読しました。
収められた12の短編のタイトルは、それぞれ有名な映画のタイトルと同じで、
旅+映画=吉田の世界 というつくりになっていました。
今回グッときた作品は、“恋恋風塵”という作品。
不意に空白になった4連休。
思い立って出かけた大好きな台湾で、
台北から東部の街“花蓮”に電車で行ってみようと思った主人公。
分かれた彼女と何度か訪れた思い出の国で、
ローカルな台湾に触れながら、敗れた恋を反芻している姿が、
私の一人旅の様子を、俯瞰してみているようで面白かったです。
一人で、ローカルなバスに乗り込み、初めて見る台北郊外の
のどかな風景を、食い入るように眺めながらも
自分の生い立ちや、記憶に新しい過去を
引き出しの中らから引っ張り出して、見つめている。
そんな自分を見ているような、気もする作品でした。