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愛に乱暴 |
吉田 修一 | |
新潮社 |
天気 が一転10秒でゲリラ豪雨
吉田修一 著 : 愛に乱暴
を、読みました。
桃子は東京都内の資産家の家に嫁ぎ
夫の両親の家のある敷地内にある離れで、
専業主婦の生活を送っていた。
付き纏うような姑の視線や言動。
不可解な夫の行動。
そんなストレスからか?おかしな夢を見た桃子は
狂気の沙汰ともとれる行動を取る。
誰にも明かさない、彼女の秘密と共に
なにやら若い女の綴る日記が並行して進む
後半に仕組まれた、サプライズ。
激しい愛情で盲目になった、一人の物語。
読んだ直後は、どうしても主人公の激しさがスルッと入らなかったのですが
私の記憶にある、夫の心が離れていった女性たちを思い起こしてみると
さすがにチェーンソーはないにしても
似たような激情が渦巻いていたし、その思いに
信じられない永い時間、とらわれている人もいて
そういう感情を、なにか形にして表すとしたら
なるほど、この狂気の沙汰だなと、
読んで2週間程時間をおいて、この文章を書きながら
理解できた気がしました。
そして、それは吉田修一の作品らしく
白や黒ではっきり断ずることのできない
人の心の動きを、しっかり描いているのだなと思いました。
やっぱ、凄いな吉田修一!