今日は、タイ王室フラワーデコレーション担当フローリスト
サクン インタクン氏監修のアジアンスタイルカリキュラムデザインです(^_^)
「フローラルジュエル イン エキゾチックフラワー」
私は個人的に、アジアンテイストたっぷりのアジアンスタイルのデザインが大好きです😉
タイは熱帯気候帯に位置する国
花は一年を通じて毎日豊かに咲き乱れますが、
木に咲く花も切り花もほぼ1日しか持ちません
それゆえ、フラワーデザインの中ではグリーンを
様々に取り入れています
日本やヨーロッパのような亜熱帯気候帯や温帯気候帯に咲く花は
茎や木から切り離しても長持ちします
それで花瓶に花を活けたり、フローラルフォームに切り花をアレンジするというデザインが発展してきました
が、花が1日しかもたない国、タイでは独自のフローラルアートが発展しました
伝統的な建物に美しさを添え、日常の生活には優雅さを与え、精神性も豊かにするフローラルアートの様式が完成したのです
今回の作品の中では、このようなタイのフローラルアートの基本様式の一つ
「クルアン・テーン・トゥア」を取り入れています
クルアン・テーン・トゥア=細かな作業を施したタイのフローラルアクセサリー
ランの花弁を取り外し、それを折りたたんでワイヤーに刺し通して作った飾りです
今回使ったランはおなじみのデンファレ、また、中央のグリーンの部分はマルバルスカスの葉です
上部と下部にはスプレーマムの花や茎、パールも通しています
タイのフローラルアートとは・・・
基本は「分解と組み立て」です
一輪の花を様々なパーツに分けます
例えば、今回のデンファレは6枚のパーツに分解します
そのバラバラになったパーツを他の植物のパーツと合わせて、
シンプルな何か別の花の形に「組み立て」ていくのです
組み立ていくには大変細かな手仕事を要します
針と糸で縫ったり、虫ピンのようなピンで差しとめたり、ネット状に編んだり・・・
このような細かな手仕事が、タイ王国の長い歴史を通じて受け継がれ、独特な芸術様式に発展したのです
「花を分解し、新たに別の形になるように組み立てる」
綺麗に咲いている花をわざわざ分解するななんて「かわいそう!」「ありえなーい!」と感じる方も多いでしょうが、
地理的理由、文化的宗教的背景など、タイは全く日本とは異なるわけで、
そのように発展してきたフローラルアートを、私はとても興味深く、また新鮮に感じるのです😉
「クルアン・テーン・トゥア」の後ろにぶら下がっているのは「ハンギングヘリコニア」
エキゾチックな熱帯植物で、これも今回のフラワーデザインの中ではかなりの存在感を出していますね
今週から2週間限定で制作することができるレッスンデザインですので、
生徒さんの中でも作られる方がいらっしゃいます(^_^)ので、
簡単に注意点を少し書いておきます
テキスト掲載の参考作品とは多少花材の変更がある場合があります
(ハンギングヘリコニアが、普通のヘリコニアに変更になる場合があります)
デザイン上部のヘリコニアとクルアン・テーン・トゥアを目立たせるためには
赤いバラはあまり高さを出さず、低い位置で配置しましょう
バラは10本ありますので、それだけの本数を放射状に、かつ、縦横一列にならないように、そしてアップダウンを付けて配置するには
客観的によーく観察しながら配置しなければなりません
タニワタリ、ドラセナなどがダラーンとしなだれないように
また、アシンメトリーのデザインになるように花材の配置をよく考えましょう
「クルアン・テーン・トゥア」を作るのに、少し時間がかかるかもしれませんが、
生のお花を使って、フローラルアクセサリーを作れるなんて、とっても贅沢な経験です!
それに、このフローラルアクサセリーがデザインの中に入ると、ぐっとアジアンテイストが高まります😉
めげずに最後まで作ってくださいね(^_^)
ちなみに、この作品で使用しているタニワタリは「ビクトリア」という種類で
葉の縁がフリルのように波打つ、とても美しいタニワタリです(^_^)