FCC日記

子どもたちのクライミングスクールの活動記録と教育、スポーツ、そしてクライミングに関して想うこと。

<レッスン日誌>チームFCC合同練習会

2012-12-25 14:47:06 | クライミングレッスン報告
12月15日(土)
メンバー:ユキちゃん(小4)、コーヘイ(中1)、タクミ(中1)、たけくん(小3)

受験生のしいちゃんがお休み、たけくんが学校行事で遅れるとのこと。

最初のミーティング。

いつもはメンタルやトレーニングについての座学や目標意識、仲間作りなどについてテーマを設けているのだが、
今は大きな大会も少し先で、ちょっと一段落ついている時期。
なので今年一年間の自分の活動を振り返って反省したあとはクリスマス会について話し合うことに

自分たちが楽しむ催しものは自分たちで作る、これは当クラブの鉄則。
全て大人にお膳立てしてもらったものを享受するだけでは、彼らの中には何も育たない。
どんなにちっぽけでも良いから、自分たちで創造し作り上げることが重要だ。
そういう小さな「作業」の積み重ねが、将来自分が主体となって何かを動かす時のトレーニングとなっているはずだ


クリスマス会に必要な手順に沿って各係りを決め、役割を確認
そのあとはクリスマス会でのセッション課題を自分たちで作成
参加者のリーチなどを思い浮かべながら9級から4級まで10本ほどを作り、みんなで登ってみて課題を練る。
地味なけれど、みんなが楽しめるようにするためには大事な作業だ。
さすがにチームの子どもたちにはこの地道な作業を厭う子はいない。
真剣に試登し、議論を重ねる子どもたちにちょっと頼もしさを感じたりもした

そうこうしているうちに遅れてたけくんが到着。
小さい子の試登要員として次から次へと課題を登らせられていた

スペシャル課題を1つ設けよう、ということだったが、練習会の時間内では作成できず、中学生2人が自主練習時に作成することに。

最後にルート。
いかなる時でも、レッスン時にはルートは必ず登ることにしている。

ユキちゃんは目標ルートのツナミの11dを、今日は最終面までノーテンションでスーッと行った
あわやレッドポイントか と、みんなで声を枯らして応援したが、ラストでテンション。残念
でも、初めてトップアウト出来た

それを見ていたタクミ。ライバルの頑張りに少し動揺したが、反面自分の頑張りの原動力ともなり、負けじと同じルートを初トップアウト

昨日の頑張りで疲れが残っているコーヘイは、今日はツナミをタクミのビレイで登る練習。
ビレイヤーとの信頼関係は微妙なもので、一朝一夕では作れない。
今日は私がタクミのビレイを指導しながら登ってもらう。
お互いのビレイで限界グレードがトライできるようになると一人前のクライマーに向けて一歩前進するんだけどな~

遅れて来たたけくん。
ツナミ右側の10c紺?にトライ
もう少しで登れそうなのだが、下からつなげるとどうしても核心が越えられない
今日は登る気満々だったのだが。。。
目の縁を赤くして下りて来たたけくんと目が合ったとたん、「ドホ、ドボ、ドホ」と堰を切ったように涙がこみ上げ、手放しで大泣き
悔しかったんだね

<レッスン日誌>レベルアップレッスン@pump2

2012-12-23 19:15:00 | クライミングレッスン報告
12月14日(金)
メンバー:ユキちゃん(小4)、コーヘイ(中1)、ユイちゃん(高1)

しいちゃんが申し込んでいたけれど、親戚に御不幸があったため急遽お休み。

今日のメンバーはみんな目的がはっきりしている。
ユイちゃんは「奥壁」の11d水色/、ユキちゃんは「ツナミ」の11d黄色?、そしてコーヘイは「奥壁」の13a赤■。
「奥壁」は次の週の月曜にルートが変わるため、ユイちゃんとコーヘイは今日のうちにぜひともレッドポイントしたい

一番気合いが入っているのはコーヘイだ
二日前の水曜にレッスンに来て、久しぶりにこの目標ルートを触った。
日ごろのぐーたらぶりが災いして、学校の定期試験前後にしっかりとした練習が出来ていなかったために一時期著しくその保有能力を落としていたコーヘイ その時はトライしてもグダグダの結果だったので、しばらくレッスンでもトレーニングをこなしてもらっていた。
大分調子も上がって来たようなので、久しぶりに今年中の目標グレード13aにトライしてみたのだった。
水曜は結果1テンで終わった。ものすごく惜しい感じだったが、微妙なところでムーブが固まっていなかったので、それを修正した。
彼の提出したトライ結果報告にはイラスト付きでムーブの注意点が丁寧に書きこまれ、ルートへの本気度が伝わっていた。

そして今日。
珍しくレッスンの大分前に来てアップを済ませ、イメージトレーニングをしながら待っていた。
前回のレッスン時に時間の使い方について少しアドバイスしたのだが、それをきちんと実践している その気になればちゃんと出来るじゃないか

そしてレッスン開始。
1便目。前回イラストで図説した下部の核心を無事こなし、上部の核心へ。行けるか と思ったが、惜しくもフォール
「な・ん・で~~~」と叫びながら降って来た。。。うーん、惜しい
精神的にかなり追いつめられたコーヘイ。今日はダメかも?ということも頭をよぎっている様子

何が足りなかったのだろう?
ここぞ、と言う時に絞り出す力。。。思い切りの良い登りをするコーヘイだが、いつも無言で落ちて来る。 ( たまに「あっ」とか「ヤバイ」とか言いながら落ちて来るが。 ) まだ限界を越えて力を絞り出した経験がない。これが出来るようになると一皮むけるかな~? この課題はその体験にちょうど良い

で、2便目のトライ前に、「上の一手を止める時に叫んでごらん」と言った。
「え~」とうろたえるコーヘイ。まだ一度も試したことがないのだから、戸惑うのも無理はない。
「力を絞り出すのに有効なんだよ」と言うと、少し納得した様子で「出来たら試してみます」と答えてトライ開始。
下部の核心は安定して通過。上部のレストポイントで休んだ後、「よし」と突っ込んだ。
いよいよ、先ほどのフォールポイント。
「あ"ーっ」と叫びながら体を伸ばした。クイーンと良い軌道で体が伸びて、見事次のホールドをキャッチ
念願の13aのレッドポイントを果たした
「キタ~~」と叫び、下りながら空中で大の字になった。
おめでとう一気にレッドポイントグレードを更新したね
準備も含め、今日は100点満点の出来だった いつもこの気持ちを維持できれば保有能力をグングン伸ばせるんだけどな~

ユイちゃんは気持ち的にちょっとネガティブに陥りがちな傾向がある。
そういう時はトライにも覇気がなく、登っている彼女の背中に、「私はダメなんです。自信もないし意気地もないんです」と書いてある
今日はその点をもう一度注意し、攻める気持ちの重要性を再確認してトライ開始

今日のトライは気持ちが入っていた
弱気になることなく次の一手に挑み、見事レッドポイント
おめでとう いつもこういう気持ちでトライ出来ればもっとグレードも上げられ、自信もつくんだけれどな~

一方のユキちゃんは、ちょっと背伸びしたツナミの黄色?にトライ出来て嬉しくて仕方ない
「今日は4回目のテンションでトライ終了ね」と約束し、トライ開始。
4回目のテンションまでにどこまで高度を稼げるか? 限界グレードのトライではちょくちょく使う手だ。ちょっとしたゲーム感覚でトライ出来るし、プレッシャーもさほど感じないで済むせいか、子どもたちもこの方法を受け容れている様子。
さて、気楽~な感じで出発したユキちゃん。3回のテンションで結構高度を稼ぎ、最終面に入ったところで4回目のテンションとなった
残念だけど、今日はここまで。またどうぞ~

<アウトドアレッスン日誌>中級 ②

2012-12-22 19:57:17 | クライミングレッスン報告
さて、タクミが「アボリジニ」にトライしている間に、たけくんがお母さんにビレイしてもらって「シルクロード」のリードでのレッドポイントに向けて再トライ
怖いのか、今回もすっかり初心者に戻ったような登り方で、岩にへばりつきながら頑張っていた何度も泣き、くじけそうになりながら先ほどの難所を越え、上部の核心に到達
「今度は登れるかも」と、終了点の様子を見に私は岩の上にまわる。上から見下ろすと、たけくんはここを越えれば事実上終了、というところで困り果てていたそして、全てを放棄した様子で「テンション。。。テンション、テンション、テンション
周囲の叱咤激励も無視して、目をつぶり、泣きながら「テンション」を叫び続ける。
ここまで頑張ってきて・・・なんて声をかけよう。。。
負けることが人一倍嫌いなたけくんに、あえて「弱虫ここで諦めるなんて、弱虫だ」と上から叱った。
はっとたけくんがこちらを見た。そこですかさず、「途中で投げ出すのは弱虫のすることでしょう?何度も練習しているルートなんだから、自分を信じて頑張れないなんて、弱虫じゃなくて何なのっ」と強い口調でたたみかけると、たけくんの顔つきが変わった。
ガシガシと岩をつかみ、必死にずり上がって(やはり岩にへばりつくことには変わりなかった。。。)終了点へ
見事レッドポイントを果たしたのだった おめでとう、たけくん


お昼をはさんで、たけくんの「アボリジニ」のフォローでのトライ。
先ほどのレッドポイントで晴々したたけくんは、アボリジニはワシワシと登った。
今日は初めてこのルートをトップアウト 次はリードだね


そしてユキちゃんも、タクミのかけてくれたクイックドローで無事「夕暮れ時」10bをレッドポイント

上部が少しランナウト(クイックドローをかけるボルトの間隔が遠いこと)するので、終了点から1本クイックドローを長いスリングで垂らして、そこにクリップするようにはしたけれど。幕岩は高さがないので取りつきやすい半面、万が一落ちた時の危険回避に気を使う

そろそろ終了時刻も迫ったころ、ユキちゃんが「アブラカタブラ」10aをレッドポイントしたい、とのことでみんなで課題の前に移動
太陽も傾いて来て、寒さが身にしみるようになってきた
バスの時間がなくなっちゃうかもしれないけど?と言うと、「どうしても登りたい鍛冶屋(ふもとの町)のバス停まで歩いても良いから~」と3人で口をそろえる。
付き添いのお母さん達とも相談して、歩く覚悟でラスト1本のトライを決めた。

「登りたい人がヌンチャク(クイックドローの俗称)を掛けようね」と言うと、ユキちゃんのテンションは激落ち
タクミは掛けてあげても良いよ~という感じだったが、今回は私が許さなかった。

自分が登りたいルートは、どんなに苦労してでも自分で掛けに行く。そういう気概がほしい。どうしても出来なければそれは仲間だ、みんなで協力して助けようではないか。でも、最初から楽をして(ヌンチャクが掛っているのといないのとでは難しさが大分違う)おいしいところだけ味わいたい、というのは虫が良いんじゃないかな~?

ノロノロと準備をし、しぶしぶマスタースタイルでトライを開始したユキちゃん。あれほどテンションが低かった割には頑張って、上部の核心で行き詰った足が滑ってフォール(アウトドアでも落ちられたじゃない
残念ながらレッドポイントは出来なかったけれど、マスターで目標ルートを終了点まで登ったのは偉かったぞ

次にタクミがヌンチャクの回収に出る。たけくんのロープで登り、たけくんはタクミに掛けてらったロープでフォロー。
タクミはルートファインディングを誤ってずいぶん行きつ戻りつしたけれど、無事完登 きちんと役割を果たした
最後にたけくんがフォローでトライしたけれど、中間部で止まってしまったので、今日のところは強制終了 もう暗くなっちゃうからね。


今日は一日中、冷たーい風がびゅうびゅう吹いてとても寒かったけれど、みんな良く頑張って登り、各自の目標を果たしたね

夕闇の中、みんなで鍛冶屋町のバス停まで歩いて帰った

<アウトドアレッスン日誌>中級 ①

2012-12-21 11:54:48 | クライミングレッスン報告
12月9日(日)
メンバー:たけくん(小3)、ユキちゃん(小4)、タクミ(中1)

今月は初級も中級も湯河原幕岩。
エリアは同じだが、内容はかなり違う。
初級はトップロープ中心で外岩に親しみ、楽しむレッスン。
場合によってはクライミング以外に川遊びをしたり、ゲーム的な要素を取り入れてみんなで遊んだりする時間を多めに取ったりもする。
が、中級はクライマーとして自立して行くためのレッスン。
「登らせてもらう」のではなく、「自力で登る」ための技術を習得して行くレッスンだ。

アウトドアでのクライミングにおいて、危険要素を回避しながら自分の目標ルートにクイックドローをセットしながら登り、トライが終了したら安全に回収する。・・・これは営業ジムでの守られた環境のクライミングでは学ぶことのできないことばかりである。そして、すぐに身につくものではない。

今日は晴れてはいるものの冷たい空気 風も強い。

集合場所の売店前のベンチで、先ずは参加している子どもたちに自分たちで今日の計画を立ててもらう。現在の中級の在籍者は全員がチームメンバーだ。
中級では主体は子どもたち。
自分たちだけで登りに来た、という状況を想定してトポを見ながら自分の目標ルートを決め、メンバーに主張し、みんなの目標ルートをすり合わせて一日のスケジュールを決める。
私は技術的な指導と危険回避のために存在する。

また、当スクールでは中級を修了するためには、アウトドアの修了条件も満たす必要が出て来る。
結び替えなどのロープワーク技術のほかに一定グレードを一定の本数登っていることも条件に含まれるが、その場合の「登っていること」はトップロープではなく、きちんと「リード」スタイルで登っていなければならない。
アウトドアにおいてリードで登る技術力を身につける・・・この安全管理の意識と技術は自立するためには必須である。
そして、それはチームの子どもたちのアウトドアクライミングへのモチベーションの一つにもなっている。


今日のみんなの目標は、たけくんが前回涙をのんだ「シルクロード5.7」のリードでのリベンジ。ユキちゃんがやはり前回残念だった「夕暮れ時」10bのレッドポイントと春にフォローで完登出来た「アブラカタブラ」10aのレッドポイント。そしてタクミは「アボリジニ」10aのレッドポイントだ

子どもたちが決めたスケジュールに沿って行動開始
先ずはタクミとユキちゃんがウォーミングアップでたけくんの目標ルートである「シルクロード」にクリックドローをセットしながら登り、たけくんがトライ
たけくんに「一度フォロー(トップロープと同様の状態で登ること)で練習させてもらったら?」と聞いてみたが、彼は「やだ。最初からリードで行く」と言う。
で、一度目のトライ開始。
が。。。前日から「登れるかな~」と緊張気味だったと言うたけくん。緊張の上に寒さで体が動かないことも加わり、出だしから様子がおかしい初めてここに来た時のように岩にぴったり体がついしまって、まるで初心者だ
いつもよりずっと下で動けなくなった
「一度下りて出直したら?」というアドバイスも「やだ~」と首を横に振る。だいぶ長いことそこにいたが、ビレイしているタクミも首が痛い様子。ついに私に叱られ、やっと納得して出直すことに。

次にタクミが「アボリジニ」にマスタースタイルでトライ。
さすが中学生 一便目は核心の越え方が分からずに敗退したが、2便目でトップアウト
そして3便目で見事レッドポイントした
この便でタクミは終了点で私の指示に従って結び替えをし(私は裏をまわって岩の上に行き、終了点で待機していた)、「アボリジニ」のクイックドローを回収してユキちゃんのトライする隣のライン、「夕暮れ時」に掛けなおす、という作業もしっかりこなせたのだった
「ボクも頼れる存在になっていたかな~」と嬉しそうなタクミだった


~続く~

<レッスン日誌>ビックロックスクール

2012-12-19 11:41:56 | クライミングレッスン報告
12月5日(水)
メンバー:リュウくん(小4)、リノちゃん(小4)、アキラ(小4)、ユースケ(中1)、たけくん(小4)、しいちゃん(小6)

ボルダー館でのレッスン。
今日は雑誌の取材が入るので、子どもたちは大張り切りだ
体操とストレッチはたけくんがリーダー。
あとから入ったメンバーも、早く覚えてくださいね~

体操も基本練習も、みんないつもよりちょっと真面目に取り組んでいる。
やはり「いつも」と違う要素が入ると引き締まるね

スクール生は定期的に、そしていつも同じメンバーで安心してレッスンを受けられる代わりに刺激が少ない。
それはマンネリに陥るとともに意識の成長や向上心の妨げにもつながる恐れがある。
その防止策として「アウトドアレッスン」や「サマーキャンプ」、そして「キッズコンペ」などのプログラムを用意して、
その参加を促しているのだが、スクール在籍者はそういうプログラムへの参加率が低いのが現状だ。


ボルダーの「チャレンジタイム」は、全員が力いっぱい取り組んでいた。
ユースケはさすがに中学生だけあって、キッズビギナーにしてはパワーがある
一番傾斜のきつい壁の8級がもう少しで登れそう

リノちゃんも女の子の割には力がある
技術とメンタルのコントロールが追いついてくれば上手くなるね

アキラは身が軽い。
習い始めたばかりの時は手順も足位置もめちゃくちゃで、その身体の軽さが活かし切れていなかったけれど、
近頃安定したムーブを繰り出すように上達して来た
でも他の習い事との関係で、12月いっぱいでクライミングを止めるそうだ。
せっかく身について来たことなのに、止めてしまうのは残念だね

リュウくんは最近技術力が急上昇 
それに伴って、今では5級にトライ中
5級にトライ出来る力があれば、公に主催されているボルダリングの大会などに参加してみても良いかもしれない。
良い刺激をもらえると思うよ~

たけくんも5級~4級に取り組み中。
最近大きな動きが身について来たとともに保持力もアップしてきて、以前は歯が立たずに保留していた課題に手が届くようになってきたね

しいちゃんは4級にトライする、と言う。
中学受験を目指しているので、今はクライミングは週に1回の頻度。
もう少し下のグレードのほうが良いかな?とも思ったが、本人のやる気に任せることに。
彼女の得意な領域である垂壁の課題を見事完登した
やはり、モチベーションはもっとも大事な要素だね