外国旅行をして食べ物が美味しくないとそんをした感じになる
のは私だけだろうか。ロンドンのレストランで食べた安くもない
料理はなんと酷い味だったろう。
このヨーロッパ旅行で美味しいと思ったのはスイスのユング
フラウを見上げることが出来たホテルのマスの塩焼きであっ
た。これはホテルの女性主人が日本贔屓で私がホテルに着
くと日本人かと聞いてきた。そうだとこたえると直ぐに出入り
口の屋根に日の丸の国旗が立てられた。これには感動した。
女性主人は日本語を習っているとかで練習のために日本語
を使って応対してくれと行ってきた。私にとっては外国語にウ
ンザリしてきた頃合いだったので願ってもないことであり何で
も日本語で話しかけた。ホテルで一夜を過ごした翌日、朝食
をとっていると彼女がやってきて今日は15時頃まで天気が
よいのでユングフラウへいきなさいと切符を買ってきてくれ
た。早速登山電車とロープウェイとエレベータでユングフラ
ウヘ着いた。エレベータを降りてトンネルを明るく日の差して
いる方へ歩き出したら、ガンと頭がなって呼吸困難になって
しまった。そこへ登山者の格好をした人が来て「ルフト、ルフ
ト」と言って深呼吸をするように教えてくれた。私は生まれて
初めて高山病に見舞われたことを知った。彼のお陰で回復
し,店でコーヒーを飲んだが生ぬるくて大変まずかった。こ
こで写した写真をお見せしようとおもったが、スライドにカビ
が生えてしまったので残念である。ここで1つ恥ずかしかっ
たのは,氷河をくりぬいてスケートリンクがあったがその氷
壁に傘マークの下に日本語で名前を書いた例の落書きが
あちこちに見つかったことである。
さてミュンヘンで食べた料理で最も印象に残ったのは、
ソフトボールほどもある白いもちっとしたボールがトマトソ
ースに入れてあるものであった。これはジャガイモを原料
にしたもので名前をXX?と言うものであった。ナイフで小
さく切ってトマトソースを絡めて食べる。同じようなもので
フランクフルトソーセージのお化けのようなものがやはり
トマトソースに浸してあるものがあった。これにも閉口し
た。日本から来た多くの人たちは、ウィナーシュニッツエ
ルと言う焼き肉を毎日食べていた。どれもあまり口に合
わないものが多かった中で,ザワークラウト(キャベツの
雑切りを酢漬けにしたもの)、アイスバインなどは美味し
いものの中に入るだろう。学会のバンクエットででていた
子豚の丸焼きをナイフで削いで食べたのも美味しかった。
ドイツではビールに関する飲酒制限がないようで子供も
飲んでいるのをしばしば見かけた。ミュンヘンは札幌と
ほぼ同緯度にあり、そのためかビールは何ともいえな
かった。
ミュンヘンで気がついたのは食品の種類がそれほど多
く食料品店に並んでないことだった。これは日照時間が
5月半ばから9月初めまでしか得られないので野菜類は
ほとんどイタリアから輸入しなければならないことに原因
があるようだ。その中でジャガイモはドイツの主食ともい
えるほど消費されており、その理由は寒冷にあると言わ
れている。その昔飢饉になったとき貴族もこぞってジャガ
イモを主食として食べたことが今に引き継がれているの
だという。以上の話は現在から半世紀ほども前の話であ
り、10年ほど前に行ったときも同様だったのであまり変
化していないと思う。