太平洋戦争が敗戦という結果で終了した頃、私は国民学
校3年生でした。政府の指導で新潟県のお寺に学童疎開で
行っていた頃の話です。私たちは頭でっかちであばら骨が
浮き上がっているほど痩せていました。そのために食べら
れそうなものは、何でも口に運んでいました。私は8月1
日から10月31日までの丸3ヶ月間お寺で過ごしました。
そのとき何故か私は当時ワカモトという今で言う栄養補助
食品を一ビン持っていました。多分面会に来てくれた兄姉
が持ってきてくれたものだったのでしょう。それを毎日3
~5粒寝床の中で口に入れてよくかみしめていました。彼
は紛れもなく今で言うサプリメントだったのですね。味は
麦焦がしのような香ばしい香りと魚粉のような匂いが少し
ありました。これを飲んでいたからと行って体調が良くな
ったということはありませんでしたね。
それからアメリカの大学(薬学部)へ行っていた頃の話で
すが、アメリカ人のサプリメント好きには驚きました。
それで帰国してみると日本人もたくさんのサプリメント
を飲んでいるという事実に当面しました。古くからの知り
合いの人の話ですが、試供品をもらえるという情報をグル
ープ全員でアンテナを張って探していました。情報が入る
とみんなで押しかけて試供品をもらって食べていたととい
っていました。その人達は少なくとも外観は健康そのもの
でした。試供品で口に合うものがあると大量に買い込んで
大げさに言えばむさぼるように食べていたようです。
1回に20錠(粒)ほどを口に入れていたというのです。そ
れでちっとも体重が減らないと嘆いていました。
普通の食事の他に毎日5,60錠のサプリメントを食べ
ていればその増量剤だけでも大変なカロリーを摂取してい
ることになると思うのですが。
今、Y新聞に連載されている記事を見ていますと、飲み
合わせによっては危険なものもあるようですね。出来れば
薬剤師に自分の状態を説明してそのサプリメントが必要か
どうかを相談するようにした方が良いと思います。
前に職場の先輩で野菜を全く食べない人がいました。そ
の方が何かの病になって病院に入ったときお見舞いに行っ
たことがありました。丁度そのとき夕食に野菜を細かく切
ったものが入ったチャーハンがでました。その方はその野
菜の粒をことごとく取り除いてご飯だけ食べていました。
それでも、仕事を定年まで勤め上げ、その後も囲碁三昧の
日々を送っていました。事実関係を聞いたことはありませ
んでしたが、サプリメントでビタミンなどを補っていたと
いう話でした。こういう方もいるのですね。
「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」ということでしょう
に。