それからしばらくして、さらに痩せた沙友理さんが来た。
「痩せましたね…」
「はい…だけど、体調はいいんです。」
「そうなんだ…。よかった。」
「彼ときちんと話しをしました」
「…そうですか」
「浮気の件は、認めていました」
「……」
「そして、私から別れ話をしたのですが、『別れたくない』と言っていて…」
「え?」
「だけど、別れます。もう、疲れました。ところで、例の謎のメールの差出人がわかりました」
「……?」
「彼の先輩でした」
…やっぱり…。
「先輩は、優太さんの浮気をしたり、二股かけたりした行動を知っていて、なんとかやめさせたくて、私に匿名のメールを送ったそうです。」
「そうなんですか…。」
「その先輩、優太さんには、もうひとりお付き合いしてる女性がいるんじゃないか…って言うんです」
…利奈さんのことだろうか…。
「どうして、それはわかったんですか?」
「いいえ、わかった訳ではなく、勘なのだそうです。」
「そうですか…」
利奈さんの存在は、"不確か"なようだ…。
「もしも、3人目がいるなら、その人にも、教えてあげるべきだと言うんですが、彼のスマホを取り上げてまで、相手を調べるワケにもいかないし…どこの誰なのかも知る術が無いので、もう、いいのかな…と、思って…」
「…そうですね。」