優太さんの浮気、三又を知ってしまって、なんとかそれぞれが傷付かないように、未然に防げないか…と思ってはみたものの、実際はサラッと事実を告げるということが出来ない。
しかし、真央さんによって、事実を知ることになって、事が動き出した。
謎のメールは、真央さんと優太さん、そして沙友理さんも知る人だった。
謎のメールの主は、なぜ匿名で、使い捨てのアドレスでメールを送ったのか…、そこは少し疑問があったが、おそらくこの件にしゃしゃり出て、トラブルに巻き込まれたく無かったんだろう…。だけど、正義感が優太さんを許せなかったんだろう…と予想した。
少しして、意気消沈した沙友理さんが来た。
「優太さんの本当の顔を見ることが出来ました。」
「……」
「真央さんって人から…。
……真央さん、ここへ来てたんですね」
「…はい。」
「真央さんが、ここへ来て相談してたことを聞きました。だけども、私の事を知っていても彼女に話さなかったこと、ありがとうございます」
「……」
「私の件も、早い段階で彼女に知られていたら、もっと早く解決してたのかも知れませんが、おそらく私のメンタルの事を心配してくれたんですよね。
自分で言うのもなんですが、私が真央さんを知った時、彼女の方が順調な状態だったら、たぶん抱えきれなかったと思います。」
「ごめんなさい」
「時間は掛かったけども、こうして謎が解けて良かったです。」
「…どうするんですか?」
「考えているところです。…だけど、たぶん別れます。」
沙友理さんは、真央さんと会って、突然聞かされた事実を受け止めるのにやっとだった。
ほんの短い時間でも頬が痩けてげっそりとしていた。