があって、帰宅するなり荷物を広げ、すぐに問い合わせ先に連絡を入れた。
警察に連絡を入れ、注意することを訊ねたところ、
遺失物の連絡が誰かから自宅にあった場合、相手に対して、警察に届けてもらうよう伝える助言があった。
直接会わないで、警察を仲介して受け取る指示だった。遺失物の中に他の名刺があれば、先方にも伝える配慮を電話で伝えられた。
幸い、他人の名刺は入れていなかった。
電話で聞きながら、個人情報が利用され、どんなことに遭遇するかわからない想定の現実を想像していた。
メルアドが知られれば、パソコンを通じて何かの変化もあるかもしれないだろう。とは、心配のひとつにもあった。
なくなったものが出てきた知らせがあれば、嬉しさのあまり、先方の言う通りにするだろう。けれど、危うい場面も想定が必要なのだ、と知った。
(今は、普段でも固定電話の受話器をあまり取らない人が多い。)
幸い、翌日に係に問い合わせたところ、品物が駅に届いていた。
届けてくださった人に「ありがとう」、そして遺失物の取り扱いを通して、警察の助言やら現実の危険を新たに知らされた。どこで何があるかわからない。
あきらめて用心がまだ必要だと身がすくんだけれど、若い駅員さんのソフトな対応に気持ちは解れ、
私の用心のタガを外しても大丈夫かと嬉しさのあまり緩んだ。
個人情報の取り扱いは、なくし物ひとつにしても、本当に大変な時世だと改めて実感している。