専業主婦の痛み

世間では、専業主婦というのはよほどの暇人で、仕事もできないゴク潰し。
無能なやつらと見られているらしい。

夫の稼ぎでぬくぬくと家事だけに専念して、三食昼寝付きで、ぺちゃくちゃお喋りして・・・今日も～いち～にちが・・・すぎてゆく～♪・・・ってな具合に憧れよりも蔑みの目を感じる。　まっ、殊更否定もしないけど。

以前、隣の娘さんが高校生だった頃、母親に言ったそうな。
「私は結婚したら、お隣の○○さんのような専業主婦になるのが夢だ」と。
娘さんのお母さんは働いてらして、朝も、子供たちのお弁当だけ作って、子供たちより早くに家を出ていた。

娘さんは当時・・・幼稚園児の息子を遊ばせていたり、ピアノの教室に一緒に出かける私の姿を見て、専業主婦がかなり優雅な時間を過ごしていると錯覚したらしい。

その話を聞いて、私は即座に反論した。
「専業主婦でいるって事には、一種の才能が要るのよ！」
つまりそれは、お金にまつわる事を口にしてはならないとか、自分の稼ぎがないのだから好き勝手にダンナの給料をつかっちゃいけないとか・・・家は綺麗で当たり前だとか・・どんなに暑くてもカッターシャツはクリーニングに出さないで自分でアイロンをかけるとか・・・１円でも安い食材を買う為にはあちこち回るわずらわしさもいとわないとか・・・買ってきたお惣菜なんてもってのほかとか・・・書き出したらキリがないほどのものがあるのだ。
そして、更に、いいご身分ね、という皮肉？にもな～んにも感じていないふりをしてバカを装う術とか。

それがそんなに嫌なら働け！って、ごもっともですよ。でも、働けない人もいるって事。親元も遠くのうちなんか、面接に行っても、もし子供さんが病気でもされたらどうしますか？なんてな質問を何度もされた。　それに、私のように異常に？惚れっぽい性格では、働きに出て外の空気を知る＝家庭崩壊にも繋がりかねない(いや、ほんま)。

そんなこんなで時間をとられているうちに、年齢制限でどこもかしこも面接以前に門前払い。　　ええ、私は『好き』で専業主婦をしているんですけど！
ただ、どうなんだろう。私は職業をもって、家庭も持ってる女性を大変だろうな、と尊敬もし理解もし、労える(なんて書くと上からモノを見てる風だけど)のに、
逆からは好意的には見てもらえないものなのね。
まるで税金泥棒みたいに思われる。

そうそう、お隣の娘さん、結婚して専業主婦になり子育てもしていたけれど、離婚なさいました。　一日家にいて子供とだけ向き合ってるのは気が変になりそうだって。　　そうでしょ？　よほどのお金持ちの専業マダム以外、普通の家庭の専業主婦は心が強くないと壊れるのよ～。