エメラルドの瑕疵

旧 『楽母の人見知り日記』です。 毎日更新しています。気候の良い時期は地元(京都)の寺社散策に励みます。

海が見える家

2022-01-24 07:55:55 | 
海が見える家
はらだみずき 著  小学館文庫  2021年  10月24日 21刷

海が見える家 それから
           〃     2020年  8月10日  初版

海が見える家 逆風
           〃     2021年  9月12日  初版


海が見える家シリーズ3作を続けて3日で読みました。
すごく好きな部類の小説です。
入社一カ月でブラック企業だと思って会社を辞めた直後の主人公文哉は(母と離婚後、男手ひとつで育ててくれた父親とも疎遠になっていたのに)父の死を知らされる。

豊かな自然の残る南房総の田舎町で一人暮らしをしていた父は、いったいこの地でどんな風に生きていたのか、孤独死ではなかったのか。。。

思えば父のことを何も知らないと気づいた主人公が父が生前住んでいた海の見える家に越してきて、その地で暮らす人々との触れ合いの中で、自分の知らなかった父を知るとともに、無職の自分がどうやって生きていけばけばいいのかを考えだすようになる。

働くとはどういうことなのか、生きていく(食べていく)にはどうすればよいのか。
とても本質に迫った小説だと思う。
本当の幸せっていったい何なんだろう?
文哉でなくとも考えずにはいられない。

田舎暮らしは決して順風満帆ではない、軌道に乗ったかと思えば逆風にさらされることもある。

でも、文哉は逞しい。
いや、関りあった人のおかげでどんどん逞しくなってゆく。
けしてスマートな生き方じゃないと思うけれど、人間らしい暮らしってこういうことかな、と思う。

次の展開がすごく楽しみ。

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2 コメント

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こんにちは (楽母)
2022-01-24 14:18:48
けいこさん
文哉のお姉さんだけが、ちょっとイライラする人物なんですが、その他はみんな真剣に「今」を生きている人たちで、前向きでとても気持ちの良い小説です。 ぜひ。
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Unknown (けいこ)
2022-01-24 08:26:54
おはようございます!
読んでみたくなりました。
ご紹介ありがとうございます。
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