ヒトリシズカ

誉田哲也著　双葉文庫　2012年　4月20日　第2刷

前回のイニシエーション・ラブと同じく１章１章が短くて読みやすい。

ただイニシエーション・・・は、最後まで読み進むと騙された、というかトリック感が強かったものだがこれは、う～ん。。。ジグソーパズルみたいかな？

バラバラになった１章１章をつなぎ合わせていって、出来上がった絵がヒトリシズカ。いや、伊東静加なんだという次第。

私は男の子しか生まなかったけれど、同じ時期に産まれた近所の女児を見ていると、ああ、女の子はこんな小さな時から“女”なんだと思う事が多々あった。
男児が幼くて赤ちゃん赤ちゃんしてるのに、同い年の女児はすでに色っぽくて（笑）無意識に女の武器を取り扱っている様子がよく分かった。

まぁ、そんな思いがあるから、この主人公の静加が、大人っぽくてとてもその歳には思えないほどの姿かたち、振る舞いがあったとしても、それは納得がいく。
作者が男性だし、語り手である登場人物の刑事や探偵がみな男、というんで騙されるんだと思うけれど、女の子は３歳ですでに女（笑）

それを踏まえて読むと、なんて女は怖いんだ（笑）
気持ちの悪い小説。　1章１章、最後になるとなにがし気味の悪いオチがあって、それでも連続ドラマの　つづく　の文字のように、これは次回を見なくっちゃ、って気にさせる。

前回のと今回のたった２冊でこんな事を書いてしまうのもナンだけど、ミステリーに分類される小説もずいぶんと変わってきてるね。　
大昔のオリンピックの体操なんか見てると、金メダリストの演技でもこんなもんなの？って思うくらい単純な技しか使ってないでしょ？　ウルトラCなんていって、すごい内容だと思っていたのに、今の選手からみたら全然稚拙で。
それと同じような思いを抱く。
ミステリーでもプロットが凝って来てるなぁって。

やっぱりもっともっと本を読もう！って思いました。