銀幕大帝α

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パフューム ある人殺しの物語

2009年05月07日 20時13分22秒 | 洋画サスペンス
PERFUME: THE STORY OF A MURDERER/06年/独・仏・スペイン/147分/劇場公開
監督:トム・ティクヴァ
出演:ベン・ウィショー、ダスティン・ホフマン、アラン・リックマン、レイチェル・ハード=ウッド

<ストーリー>
18世紀のフランスで、超人的な嗅覚をもつ男が、至高の香りをつくるため、女性を次々と殺害していく。
<感想>
視覚・聴覚を意識した映画は数あれど、嗅覚をテーマにした映画は珍しいよな~。

お前は麻薬犬か!ってなくらいの鋭い嗅覚を持った青年が主人公。
目を付けた女性の匂いなら何里先でも嗅ぎつけるって・・・おい、すげぇな!!

まぁそんな事よりも、嗅覚をテーマにしているので、それを画面から伝える事が出来るのか?と思っていたのだが、ブラウン管から本当に場面毎の臭い(匂い)が漂ってきそうでした。
貧困街での腐敗臭、皇族達からの清らかな匂い。
取分け、主人公が最初に執拗に嗅ぎまわす、果樹売りの女性の裸体からは、とんでもない美しい匂いがしているようなそんな錯覚すら覚えました。

この女性の匂いに取りつかれた主人公は後に殺人を繰り返し、数々の女性から体臭を収穫し、究極の香りを作り出す。
惜しいのが、この香りをばら撒くラスト。
死刑を見物にきた民衆が究極の香水を嗅いだ瞬間、一斉に服を脱ぎ棄て全裸で乱交をおっぱじめるという本作最大の見せ場なのだが、この場面だけはどうしてもその香りというものが私には漂ってこなかった。

死刑執行人が服従し、司祭は天使様と崇め、民衆は目の色を変え跪き、そして隣にいた者同士で快楽を求め合う。

想像を絶する匂いなのだろうが、どうもその匂いと言うものが画面から伝わってこないんですよ。
それまで多彩な臭い(匂い)を感じさせてくれていたのに、一番観客に感じさせなければならないはずの究極の香りがここにきて映像表現するのに失敗しちゃった感じ。
人を魅了する香りだけに、流石にそこは映像表現としての限界があったのだろうか。
映画の集大成である場面だけに、ここは何としてでも我々観客をも魅了するような香りの表現を作りだして欲しかったなぁ。

魚の腸の中で生まれ、最後は生地に舞い戻り、究極の香水の力によって、その地に還って行った主人公。

結局のところ彼は神秘的な香水を作り上げた上で何を得たかったのか?
そこら辺も何とも分かり辛かったですかね。

それでも匂いという難しいテーマに果敢に挑み、映像として表現させ感じさせる事に成功した監督の手腕は買いたいです。
只、やっぱりラストが惜しい!!

オフィシャル・サイト(ドイツ語)
オフィシャル・サイト(日本語)

評価:★★★★
09/05/07DVD鑑賞
トム・ティクヴァ 歴史劇サスペンス・ドラマ ダスティン・ホフマン アラン・リックマン 「香水 ある人殺しの物語」 PG-12 DVD旧作
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コメント (24)
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