BLACK SWAN/10年/米/108分/サスペンス・ドラマ/R15+/劇場公開
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー
<ストーリー>
N.Y.のバレエカンパニーに所属するニナは、新作「白鳥の湖」で念願だったプリマを演じるチャンスを手に入れるが…。
<感想>
ひゃ~。
まさかナタリーがこれ程までに狂気に満ちた演技を解き放つとは。
今作でのナタリーの演技には穴が無い。
踊りにも無駄が無い。
完璧と言ってもいいだろう。
母からは大きな期待を背負わされ、芝居監督からは完璧さを求められる。
優等生故の不安。
それをかき消すかのように知らず知らずの間に自傷行為へと走って行く。
何時しか現実と非現実の区別がつかなくなり、漆黒の闇へとさ迷い始める。
鏡というアイテムを用いて幾度となく表現されている追い詰められたニナの心理状態の乱れ。
不気味だ。
不気味だが上手い。
ニナの現状におけるアンバランスな精神具合がジンジンと伝わってくる。
ナタリーの演技で一際目を見張るのが、終盤での初日舞台。
黒鳥を踊る事に未だ自信を持てないニナが、楽屋である行為をした事により、さ迷っていた闇の出口を見付け、絶頂のバレリーナと化すのだが、赤く充血した狂気の眼、フーフーと鼻息を荒くしながら周りを気にせずズンズンと歩む姿に見事な演技力を抱かされた。
こんな恐ろしいと思わせる演技が出来るんだ、と。
舞台の中心に独り立ち、腕に黒鳥の羽がバサッと生え、優雅に踊り切る様の美しさと言ったら言葉では言い表せられないものがある。
「完璧だった」
拍手の渦に飲み込まれながらニナの口から出てきた台詞に私は心震わせ、歓声の中流れ出るエンドロールをじっと見つめながら、ナタリーに絶賛の拍手を送り続けた。
本作により役者としての芝居の幅を広げたナタリー・ポートマン。
今後、彼女が挑む新たな役に期待も膨らむ。
本役を頂点とせず更なる高みを突き進んで欲しい。
最後にもう一つ。
ニナの不安の根源の一つでもあるルロイを演じたヴァンサン・カッセルは只のエロおやじ。
だが、それが良い。
彼だからこその極めたムッツリな変態エロさが、心地よく股間を刺激する。
受賞履歴:
2010年 第68回 ゴールデン・グローブ賞主演女優賞<ドラマ部門> ナタリー・ポートマン
2010年 第83回 アカデミー賞主演女優賞 ナタリー・ポートマン
オフィシャル・サイト(日本語)
オフィシャル・サイト(英語)
評価:
★★★★![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_sup.gif)
11/09/07ブルーレイ鑑賞(新作)
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レンタル開始日:2011-09-07
メーカー:20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン