アメリカをはじめ、世界で人気の「コンブチャ」。日本では「紅茶キノコ」と呼ばれて昭和40年代後半~50年頃にブームとなりましたが、近年の健康志向の高まりから再び注目されています。リバイバルブームに沸く、紅茶キノコについて紹介します。
紅茶キノコとはどんな飲み物
東モンゴル原産の発酵飲料「紅茶キノコ」。シベリアに渡りロシアに広まると、「チャイヌイ・グリプ」(ロシア語)という伝統的な飲み物として定着します。チャイヌイは「お茶」、グリプは「菌」の意味を持つことから、昭和50年前後の日本では紅茶キノコと訳されたようです。
昨今の欧米諸国の呼び名は「コンブチャ(konbucha)」。コンブチャは、紅茶や緑茶に砂糖とゲル状の菌の塊(バクテリア×酵母)を入れ、2週間ほど漬け込み発酵させてつくります。腸内環境を整え、冷え性を改善し、高血圧を予防するなどといった効果が期待されています。さらにアメリカでは、デトックスや美容、ダイエットにも効果があるとされ、美容と健康に敏感なハリウッドセレブが愛飲するほど大人気。
キノコ? コンブ? 日本の昆布茶とは何が違う?
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「コンブチャ」は、日本の昆布茶とは別のものです。日本の昆布茶は、乾燥昆布を粉末状にしたものにお湯を注いで飲みますが、バクテリアや酵母、お茶の成分も入っていません。欧米などでコンブチャと呼ばれるようになったのは、ゲル状の塊を昆布と勘違いした、日本の昆布茶と混同した、酵母茶がコンブチャと訛った、韓国語で菌のことをKOMというから、などさまざまな説があります。また日本ではコンブチャのことを「紅茶キノコ」と呼びますが、キノコは一切入っていません。「キノコ」と呼ぶ理由は、「ゲル状の菌が発酵して白いキノコのように見えるため」といわれています。
コンブチャ自体は甘酸っぱい味がします。ニューヨークなどでは、このコンブチャを炭酸や豆乳で割ったものや、いちごなどのフレーバーを付けたもの、炭入りのものなどが販売されています。日本でもハイビスカスやレモングラスなどが配合されたコンブチャが市販されており、現代のコンブチャの味は多様化しているようです。
類似した栄養価を持つその他の食品
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コンブチャは発酵させて作るため、発酵食品に近い栄養価を持つといわれています。コンブチャに含まれているのは主に、腸内環境を整える「乳酸菌」、腸のはたらきを助ける「酢酸菌」、食物繊維が豊富で糖代謝や腸のはたらきを助ける「酵母菌」などです。乳酸菌は納豆やヨーグルトなど、酢酸菌は酢やナタデココなど、酵母菌は味噌やキムチなどに多く含まれています。これらの食品を普段から積極的に摂っている人も多いのではないでしょうか。コンブチャは、最近話題の「菌活」にもピッタリの飲み物といえるでしょう。
自家製コンブチャには要注意
コンブチャ(紅茶キノコ)は家庭でも簡単に作れますが、高温多湿の日本では食中毒を引き起こす菌が繁殖しやすいため、注意が必要です。以前に日本で流行った時には腹痛などの健康被害が増えたため、次第に廃れていったという経緯もあります。自前でコンブチャを作ることは避けた方がいいかもしれません。
まとめ
ハリウッドセレブなど、世界中の健康コンシャスの人たちに人気のコンブチャ。発酵飲料のコンブチャは体に良いとされる成分が豊富に含まれていて菌活にも適しているため、注目してみてはいかがでしょうか?
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