自民党総裁選挙が5人の候補者によってスタートした。立候補の共同記者会見をはじめ、TV各局に出演して語っている政策を聞いた。
これに対して、民主党は、「総裁選による政治空白で、国益を大きく損なっていることへの反省の弁はほとんど聞こえず、『総裁選ごっこ』をやっているとしか思えない」(鳩山幹事長)だの、「自民党の自民党による自民党のためのお祭りショーだ。総裁選告示という幕開けは、自民党の終焉の始まりでもある」(山岡国対委員長)と批判している。
確かに一理はあるが、少なくとも、民主党の代表選よりはマシだ。野田氏が立候補しようとしたが、結局、小沢氏以外は、代表選後の党内のしこりを懸念し誰も手を挙げなかった。党内には、当然のことながら、考え方の違いなどがあるのにだ。
岡田克也副代表は、文藝春秋9月号で「小沢さんと私は違う」-政権奪取宣言で、「運営方針や具体的政策について、私が代表ならこうはしないだろうと思うことがあることは事実です」と語り、小沢代表が「次の総選挙が最後の選挙だ」という言い方には違和感を覚えます」と言っている。
自民党を離党してから15年、小沢氏にとっては政権を奪取し、民主党初代総理大臣になるチャンスは最後かもしれないが、それは私情以外のなにものでもない。岡田氏は、政権交代はスタートであってゴールではない。自民党と民主党による政権交代がある政治を確立することがゴールだと言っているのだ。
小沢チルドレンと言われる若手の一人は、「小沢はぶれない」「国民は、小沢がやっているんだから大丈夫だろうと思うんじゃないかな」「民主党は官僚や業界のしがらみが薄いから、政権を取れば色んなことができる」などと得意げに語っているが、とんでもない。連合、自治労、日教組など大きな組織のしがらみがあるではないか。
大連立構想を自らが仕掛けて失敗したのを見るまでもなく、党内の反対にあって、あえなく頓挫。自分の思い通りにいかなければ、すぐに「ヤーメタ」というような政治家だ。国民は、みんな知っているのだ
だからこそ、自民党も、危機意識をもって新しいリーダーを選び、国民の前で本音を語り、誤りなきかじ取りを行ってほしいのだ。