登校拒否・不登校に学ぶ フレンズネットワーク くまもと  【不登校 命を守る 子の反応】  一人で悩まないで!  

不登校から学んで、子どもたちを取り巻く環境を改善しようと1997年に設立した団体です。その活動や想い等をつづります。

フリースクール育海 

2024-07-23 16:18:18 | 会報「ふれんず」から

 堂野博之氏の講演内容 から一部分

■フリースクール育海(はぐくみ)
▶自分にとって逆境となる状況を、これって神様から与えられた宿題だと思うことにして、どんどん難しい宿題をクリアすると、またやってくる。すると、どんどん世界が広がっていくんです。無職になり、どうやって生活する?となったけど、せっかくクビになったから、トコトン自分の思う通りにやってやれと、単身で離島の飛島に移住しました。
この島で自分の好きなように学校を作ろう、と思って始めたのがフリースクール育海です。離島留学という仕組みを作って、全国の学校の行き辛さを抱えてる子どもを対象に、1年間、飛島の廃校で共同生活を送ってます。
▶1日のスケジュールは全部子どもたちが話し合いで決めます。印象に残っているのは去年。「スタッフは何にもしないから君たちでやるんだからね」と伝えてあるのに、夜7時、8時になっても誰も動こうとしない。お腹が空いてくるけど、スタッフはただニコニコ待ってます。
ある子が「お腹がすいたから、何かしない?」と言って、初対面の子がぞろぞろ台所へ行き、冷蔵庫の中を見て何ができるか相談が始まって、作り出しました。
1日が終わって、夜ミーティングをするのだけど、本当に自分たちでするんだと自覚して、一生懸命話し合ってスタートするのが離島留学の特徴です。

▶今の私の根っこにあるものは、自分の不登校の経験です。生きているといろいろありますが、それをどう受け止めて、どう向き合って、どう成長していくかに尽きると思います。
子どもたちの中にある“生きようとする力”“伸びようとする力”を、作物に水をやるように見守らせて頂くのが「フリースクール育海」です。

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■5年間やりつくして 堂野博之さん講演より

2024-07-15 21:00:04 | 会報「ふれんず」から

「あかね色の空を見たよ」
―― 不登校だった私が支援者として、今 ――
  
講師 / 堂野博之 フリースクール育海 代表

講演内容 より 一部分抜粋


■5年間やりつくして

中3になると、両親に少し変化が生まれてきました。“学校に行っていない博之を、家族の一員として認めて行こう”という心境に、5年間かかってたどり着いてくれました。真面目で一生懸命な両親にとって勇気がいる事だったと思います。5年間やりつくして、私が荒れつくして、もう認めるしかないという心境になったのでしょうね。

この1年間は、私にとって大きな変化でした。まず朝起こしにきません。朝から喧嘩する必要がなくなりました。家の仕事も手伝いました。学校には行ってないけど、自分の役割をこなす事で両親が喜んでくれる、それがとっても大きい1年でした。

 

夏休みに先生が進路の話をされ、定時制高校や通信制高校があると教えてくれました。私は、定時制高校に行けば家を出られるかもしれないと思いました。誰も知らない所でもう一度ゼロからチャレンジするしかない、と感じていたからです。でも、その気持ちを伝えることができないまま卒業の日になり「もう行ける所はない、もうどうにでもなりやがれ」という諦めの心境になってました。

 

その日の夕方、母が仕事から帰ると真っ先に私のとこへ来て、とてもスッキリした顔で「博ちゃん、あんた5年間よう頑張ったなぁ」と言いました。私が「何が頑張っただ、頑張らないから休んでると思ってるくせに」と内心思っていると、続けて母が「お母さんも頑張ったんよ。5年間辛かったろう、お母さんも辛かったんよ」と言ったんです。

その言葉が、バリアを張って大人の言葉を絶対聞き入れない私の心に、ストーンと入ってきて、なんだか温かい気持ちになったんです。「あぁそうやなぁ、僕頑張ったんやなぁ、お母さんも頑張ってくれたよなぁ」と。

その夜、自分の気持ちを伝えようと思って、両親に「俺はこの家を出ようと考えてる。定時制高校に行かせてもらえないか。独り暮らしをして、アルバイトで生活費も稼ぐ。迷惑はかけないからそうしたいんだ」と話すと、両親は涙を流して喜んでくれて「そうか、そんな風に考えとったんか。よし、先生にお願いしよう」と言って、翌日学校へ行ったのを憶えてます。

 

ö 当時、先生の不登校への理解も難しかった。でも私が一つ憶えているのが、小5年?の担任の先生。家に来た時、将棋を見つけて一緒にしてくれて「楽しかった、また来るわぁ」と言って、何で学校に行かないのかとか聞かないんです。そして学校で「堂野君は大丈夫。将棋ができるやつに悪いやつはおらん」と言われたそうで、後で知って凄く嬉しかったのを憶えてます。

 

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中学卒業後の選択肢 会報ふれんず288号より

2024-06-24 12:43:33 | 会報「ふれんず」から

親の会報告から

3 中学卒業後の選択肢

: うちは中3の娘です。受験が控えてるけど全く勉強してないです。娘は難病を持っているのですが、小学校は何とか通えました。

進行: 娘さんは何をしてるのが楽しそうですか?

: ゲームです。好きみたいです。

: ゲームもいろいろありますけど、人と繋がって遊んでるの?

: 機械相手のゲームしかしません。人とは繋がっていないです。課金はしない範囲で遊んでます。

: 昼夜はどうですか?

: 逆転もありますが、私は何も言いません、諦めてます。

進行: 学校の先生は来ますか?

: 来ないです。欠席の連絡はするし、時々登校するので。今は支援クラスに入ってます。支援クラスは受験に影響すると聞きました。全日制の高校に行くには普通学級じゃないと、と。娘は通信制へ行くと言ってます。

 : 通信制は沢山ありますけど、特徴を把握しないと良かったり悪かったりですね。選択肢としては、定時制もあるんですけど、定時制高校はご存知ですか?

: 定時制って働きながら通うとこですよね?

: 今は少し変わってきてます。本人が楽しく過ごすのが一番です。8、9割が不登校経験者で、ほとんど学校に行ってなかった子もいます。夜の学校なので、昼夜逆転の子も通えるし、昼間バイトしたり。単位を取れば3年で卒業する事もできますが、私は4年でゆっくり卒業することを薦めています。

 : うちの子は定時制高校に行ったんですけど、学費もとても安いですね。就職率も高い。ヤンチャな人が多いイメージだけど、以前だと手のかかる子が多かった、今は時間をかける子が多くなった、という事だと思います。

 : しばらく家でゆっくりするっていうのも、選択肢に入れてほしいです。

: 親が焦ってしまうのですよね。

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ヒントが欲しい 会報ふれんず288号 より

2024-06-18 23:41:47 | 会報「ふれんず」から

1 ヒントが欲しい

: 一番上の息子が行き渋りをしていて、私自身どう対応していいのか分からなくて参加しました。姉や先生には相談してるけど、不安で自分が病気になりそうです。経験ある方の話を聴けると、ヒントになるかなと思って来ました。

B : 息子さんはおいくつですか?

: 17歳、高校2年生です。甘やかしたかなと反省してます。育て方を間違えたかなと。本人も苦しいと思うけど私も苦しいです。どうしていいか分かりません。

C : 休んでる日は、息子さんはどうされてますか?

: スマホをいじってる事が多いです。体を動かさないから、昼夜逆転しないよう買い物や食事に誘いますが、なかなか行こうとしません。昼間外出するのは、引け目を感じるようです。私は日光に当てなきゃと思う。本人の気持ちがないのに、私が急がせ過ぎてるのかな。

B : 息子さんはいつ頃から行き渋りがあるのですか?

: 中3の2月位に、突然ポンと休む事があったのが始まりのような気がします。ちょうど受験の頃なのでストレスかなと思ったけど、息子は「学校より家の方が勉強できるし、他の子も休んでるから」と言ってました。その時は変な休み方するなぁと思ったくらいでした。
高1の時は休む日が多くて心配でしたが、何とか出席日数は足りたので、2年生には上がれました。最近行かない日が多いので、このままでは出席日数が足りなくなりそうです。

B : 息子さんは食欲はありますか?目覚めはどうですか?

: 朝は普通に起きて、朝食も皆と一緒に食べてます。でも、さぁ学校へ行く時間となると「何か胸がドキドキする」と言って行けないです。私はどうしていいか、何と声をかけるのが正しいのか、分かりません。

B : 学校へ行けない理由が何かしらあると思います。お父さんは何と言われてますか?

: 主人は「行きたくなかったら行かなくていい」と言いました。私は「エッ?」って感じでしたが、息子は少し安心したかもです。主人は破天荒なタイプで「勉強しなくても社会では生きていけるから、自分で決めろ」とも言いました。私は主人のように放っておけないです。
               
: そうですか。でも、ある意味いいかもですね、本人に自分で決めろと言うのは。
   

: 自分で決めろと言われても、息子は分からないみたいです。

B : すぐには分からないし決められなくても、息子さんはいろいろ考えてるのでは。

 

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話をしっかり聴いていると ふれんず286号 より

2024-04-26 17:37:15 | 会報「ふれんず」から

3 話をしっかり聴いていると 

支援: 私は小中学生にボランティアで勉強を教えています。その中に勉強しようとしない子がいて、一年程ずっとその子の話を聴いていました。その後自分から勉強をし始めて、最近その子の生活に変化があり、学校で放送部に入ったらしくその話をしてくれます。

C : 話を聴いてもらうと安心して落ち着くんでしょうね。失礼な言い方かも知れませんが、Fさんは以前に比べて親の会でしっかり話を聴けるようになられたなぁと、ここ数回特にそう感じています。

支援: 私はこの会で相談される方々のお話を、いつも宝物のように受け止めて、とても有り難く聴かせて貰っています。

B : 親の会で話を聴かれていたから、しっかり人の話を聴けるようになられたんじゃないかな。この「フレンズ親の会」は、人の話しが聴けるようになれる会でもあります。

C : 傾聴がしっかり出来ると、話す方も聴く方もお互いのエネルギーが上がるらしいですよ。

 

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