会報から一部を切り取って紹介
3 親が手を放せば、親に何かが入ってくる
D母:上の子が防大を受けたいというので、ビデオで訓練の様子などを見たけど、これはうちの子には無理と思って、やめて他を受けました。でもあれが出来る人もいるんですよね、合わせられる人もいる。
B : 人は色んな人がいます。色んな人がいてこの世の中成り立っていると思うので、良い悪いではない。その人の能力を生かせられたらいいですね。
C : アメリカにサドベリーバレースクールというのがあります。ここは、子ども達が好きなことをして自由に過ごして、自分達で勉強したいことを見つけてきます。たとえば、みんなでバザーをすることになって、お金の計算が必要になり、算数の勉強が始まるという具合です。
学びのスタイルはいろいろなんです。日本は公教育があるので、その枠から出たら終わりのような感じだけど、そういう枠じゃない学び方もあって良いはずです。
D母: 問題は社会がそうなので、私も息子も落伍者でどうしていくのがいいのかわからない。
E母: 子どもはお母さんがやりたいことをしていると、ついてくると思います。私、今は自分のやりたいことをしています。
D母: どうやってそういう気持ちに切り替えられたのですか。私はなかなか自分を上げていけないです。
E母: 子どもの力もあって少しずつ。子どもを信じることは大切です。この子は脱落者じゃない、頑張っていると思いました。
親がいろいろ言うほど子どもは動かないし、思えば思うほど縛ってしまう。親が手を放せば、親に何かが入ってくる。すると自分が上がって、子どもも上がる。
そういう子の方が後で伸びると思います。
D母: どうしたら子どもをそこまで信じられるんだろう。
E母: 自分の産んだ子どもですから。自分を信じる。こういうところでの出合いにも感謝です。
B : Eさんは随分明るくなられましたね。ところで、手を放すというのは?
E母: 信じるということだと思います。自分がいっぱいいっぱいだと、それ以上何も受けとめられない。何かから手を放せば、別のものが持てるようになる。
D母: とにかく、回復してほしい、元気になってほしいんです。
E母: 大人になってからが心配と、先ほどどなたかおっしゃったけど、大人になる手前に段々があって、1歩1歩の積み重ねがあるんだろうと思います。