膝まずき祈る見事な無条件 石井有人 絶句
小樽川柳社で毎月発行している川柳誌「こなゆき」2月号より
今まで20年くらい川柳をたしなんでいます。
そんな中で面識のある先輩たちが当然のごとく黄泉へと旅立たれております。
不思議と・・・ご自分の死を予告しているような絶句に出会うことが多いのでびっくりもします。
老化とともに死を意識して生きるのは歌人の心得があれば当然のごとくですが。
その死を案外冷静に受け止めている方が多いのも歌人の必然ではないかとも思います。
今日の句会で、石井先生の最後の句を鑑賞しながら・・・突然の死ではあってもご自分の絶句を強く意識されのではないかと感じています。
今までに見たことがない傾向の句です。
ひらがなを着てカタカナに手を引かれ
一礼をして悲の面消えてゆき
ていねいに墨摩る四隅の冬あかり
幸せになろうなろうと ガラス玉
階段の切れ目にサタン追い詰める
背もたれの向こうに続く句の轍
膝まずき祈る見事な無条件
そしてなお 扉を叩く 生きるとは 小樽花園町生まれで、小樽潮陵高校から北大理学部に学んだ、川柳作家石井有人の句碑。有人は小樽川柳社を主幹し、句集『群青』があり、北海道川柳功学賞を受賞している。小樽の繁華街の国道5号線と、公園通りの交わる花園十字街の旧北洋銀行小樽支店脇に建つ句碑。シンプルだがユニークなデザインは、一原有徳によるもので、本間紫雪の書で、句が4つ刻まれている。裏面に建立の趣旨が書かれ、「解体が決まった北洋銀行旧小樽支店が、街づくりの活動拠点や市民のイベント会場として再利用されることになったことを記念して、小樽に古くから親しまれてきた花園公園通りを、文字通りにするために建立す。平成14年7月」と記されている。 |