「猩(しょう)」という字は、もとは犬のほえる声のことだったようです。なぜか、「猩々」とつなげて、想像上の酒好きな猩々や、オランウータンを意味するようになったようです。藤堂明保は、「犭(けものへん)+音符・星(すっきりとさえている)で、頭がさえて人間に似た類人猿」としています。
淵明堂跡(見川 36°22'24.4"N 140°26'59.4"Eあたり)
現在、徳川ミュージアムがある高台の地に、かつて徳川光圀は別荘・高枕亭を建てたそうです。その裾にある小山にも光圀は淵明堂を建てたそうです。中国六朝時代の詩人・陶淵明(とうえんめい)にちなんだ施設だったそうで、中に淵明の像が安置され、壁には、唐の詩人・李白、猩々、酒呑童子が描かれていたともいわれているそうです。いずれも酒に強い縁のある人やものたちです。淵明を慕っていた光圀が生前に建てた自身の寿蔵碑(生前に建てる墓)裏に刻んだ文は、淵明の「五柳先生伝」にならったものだそうです。
猩々梅林(常磐町 36°22'20.4"N 140°27'01.0"Eあたり)
やはり酔顔らしい紅梅だったような気がします。淵明堂が猩々堂ともいわれたので、後に付けられた名前なのでしょう。このあたりには、このほかにも窈窕(ようちょう)坂にちなんだ窈窕梅林、田に放された鶴にちなんだ田鶴鳴(たづなき)梅林があるようです。
猩々橋(常磐町 36°22'22.5"N 140°27'03.2"Eあたり)
偕楽園高台崖下に沿って流れる沢渡川にかかる橋です。現在このすぐ先で、桜川に合流しています。今の橋は平成4年竣工のようです。
猩々丸(水戸市植物公園 小吹町504)
トゲや花が赤いのでついた名前のようです。メキシコの高地が原産のようで、寒さに強いサボテンのようで、高さ30cmくらいになるようです。
ショウジョウソウ(セキショウ・ウェルビーイング福祉会館 千波町1918)
余り目立たない密集した小さな花の周囲にある、濃い赤色のある葉(苞葉(ほうよう))が目立ち、その色から猩々の赤ら顔が連想されたようです。ポインセチアとは同じ科の植物で、似た形をしているようですが、ポインセチアもショウジョウボクといわれるそうです。セキショウ・ウェルビーング福祉会館といった、ネーミングライツによってつけられる公共施設の名前には長いものが多いようで、もう少し考えられないのかなあと思います。