今回も名詞ですが、ほとんど全部が、内原町史にあった言葉です。
あどっちゃり
あとずさり。「退く」を「すさる」といいますので、あどずさり→あどっしゃり→あどっちゃり といった変化があったというようにも思えます。
いんびき
親戚。「姻引」ということなのでしょうか。
おだあし
稲架。「おだ」だけで、稲をかける竹木をいうようなので(全国方言辞典)、「あし」はその脚の部分をいったもの(広辞苑)だったようですが、それが脚だけでなく全体も意味するようにもなったとも考えられます。
てわすら
いたずら。「わすら」はわるさ、手いたずら(仙台(達用抄)、庄内(浜荻) 全国方言辞典)とあります。
どんずき
ぶらんこ。ぶらんこを、「どんずり」「どんずりっこ」「どんずるこ」などともいうようです(全国方言辞典)。「どん(おしり)を衝く(押す)」、「どんと押す」といった意味なのでしょうか。
へでなし
でたらめ。全国方言辞典には、「 へでーなし」(いい加減、でたらめ 会津、栃木県安蘇郡)がありました。
ぼさっか
藪(やぶ)。「ぼさ」には、「そだ」(全国方言辞典)の意味があるそうです。「か」は、場所をいうのでしょうか。
ほそび
ほくろ。仙台、宮城県石巻、山形県米沢、福島、栃木、茨城、千葉などでいわれるようです(全国方言辞典)。これで見ると、東日本で広く使われる方言のようです。
みそっこ
仲間はずれ。「みそわけ(仲間外れ 大分)」と全国方言辞典にあります。
もじぐせ
つわり。「もじくる」という言葉に、「もむ、しわにする 福島茨城県行方郡」、「まがる、ゆがむ 伊豆三宅島」といった意味があると全国方言辞典にあります。もしかすると、そうした流れの言葉なのかもしれません。