今回は水戸で採集された天候に関する俗信を、出版物の中から選んでみました。水戸で独特というものはなさそうですが、今でも役立ちそうな感じです。写真は、熟した柿の木に集まったムクドリで、さかんについばんでいました。
寒中の大雪は夏日照り、冬寒気激しい年は干魃
どちらも似た感じの俗信です。「寒に霜の多い年は夏日照りがある」という地区もあるようです。
柿は不陽気の年に当たる
逆にいうと、季候の悪い年には、今年は柿が豊作だろうと思えばいいのでしょう。
朝靄(もや)が一杯だと昼は暑くなる
今の気象用語では、霧は見通せる距離が1km未満、靄は1km以上10km未満だそうです。この場合はどちらでもいいのでしょうが。
夕方降り出した雨は明日も続いて降る
以下は雨に関するものです。かつて農業中心の時代は、天候と豊凶は密接な関係があったのでしょうから、こうした俗信は限りなく多かったことでしょう。
朝鳩の鳴き声が聞こえると雨になる
「朝鳩聞いたら川越すな」といういい方だったようです。続けて「夕鳩鳴いて空見るな」という地方もあったようです。夕方鳩が鳴く時は翌日は晴れて心配がないので空を見る必要がないということのようです。
池の魚が騒ぐと雨になる
魚が跳ねるととか、口をパクパクさせるとなどともいう地方もあるようです。
大霜の三日目は雨になる
「春に三日の晴れなし」と似たような内容なのでしょうか。
アリのドンドン参り(行列)は雨になる
これも広くいわれているようですが、アリは湿気の変化がわかるという記述もあるようです。