弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

離婚訴訟の 当事者の名は クレイマー対 クレイマー

2009年03月04日 20時31分46秒 | 裁判
昨晩、久しぶりにNHK衛星第二放送で、映画「クレイマー、クレイマー」を見た。
クレイマーというのは、あくまで主人公の元夫婦の名字であり、「クレイマーさん対クレイマーさん」というアメリカ流の事件名に過ぎない。今の世にいう「クレイマー」を指すわけではない。
30年も前の映画なのに、現代の離婚訴訟を担当している私にも、さほど古くは感じなかった。
自立を志して、愛する子を残して別居・離婚に踏み切った妻が、間もなく子を引き取りたいとの訴訟を起こす。泥仕合の揚げ句、勝訴した元妻が子を引き取りにきたものの、非を悟って引き返す。
離婚した夫妻の子をどうしたらいいのか、というのは現代でも家庭裁判所の最難問である。民法を改正して共同親権制にすれば解決するというほど簡単ではない。