私の著書「『裁判官の良心』とはなにか」の第一章にも掲載した講演で、自分の「良心」の内容は、第一に「正直」、第二に「誠実」、第三に「勤勉」の順だと披露した。
独自の見解のように思われてもいけないので、法律と判例でもそうなっているという例を挙げてみる。
法学部生が真っ先に学習するであろう不動産の二重譲渡と対抗要件(登記)の問題が好例である。
①自分が売主から買ったという二人の買主が互いに争った場合、民法177条の規定により、先に所有権移転登記を経由した方が勝ち、登記を怠っていた方が負ける。
これは「勤勉」基準。
②しかし、先に登記をした方であっても、例えば他方を裏切って出し抜いた「背信的悪意者」は、民法1条2項の信義則違反とされ、負けるというのが確立した判例である。
これは「誠実」基準。
③以上の大前提として、そもそも売買が架空のものであれば、民法94条の虚偽表示により無効である。
これは「正直」基準。
ね、やはり、私の説と同じ優劣の順序になっているでしょ。
独自の見解のように思われてもいけないので、法律と判例でもそうなっているという例を挙げてみる。
法学部生が真っ先に学習するであろう不動産の二重譲渡と対抗要件(登記)の問題が好例である。
①自分が売主から買ったという二人の買主が互いに争った場合、民法177条の規定により、先に所有権移転登記を経由した方が勝ち、登記を怠っていた方が負ける。
これは「勤勉」基準。
②しかし、先に登記をした方であっても、例えば他方を裏切って出し抜いた「背信的悪意者」は、民法1条2項の信義則違反とされ、負けるというのが確立した判例である。
これは「誠実」基準。
③以上の大前提として、そもそも売買が架空のものであれば、民法94条の虚偽表示により無効である。
これは「正直」基準。
ね、やはり、私の説と同じ優劣の順序になっているでしょ。