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過去問の勉強の仕方

 過去の入試問題を勉強することは非常に効果があります。入試傾向を知ることもできますし、解き上げていくと、自信も生まれてきます。よく、入試問題を最後の力試しにとっておく方がいらっしゃいますが、これは間違い。私は過去問はできれば3回やりたいとお話してきました。

1回目は6年生の夏休み。この時期はまだ十分に力がついているわけではないので、時間を計ってやっても、あまり良い点数が取れないことが多いのです。ですから、じっくり時間をかけて解き上げるようにします。そしていくら考えてもわからなければ、解答を読んで、その解き方を理解します。

「そうか、こう解けばいいんだ」

 という発見があれば、良いのです。それをだいたい過去10年分やりたいと思います。繰り返しになりますが、慌ててはいけません。それぞれの問題を十分に理解するという作業なのですから、いいかげんにならないように気をつけるべきでしょう。

 夏休みにそれだけやったら、今度は秋の前半(11月まで)に2回目に手をつけます。今度は、時間を計ります。そうするとだいたい60点から70点ぐらい取れるでしょう。一度やっている問題ですから、解き方を覚えているものもあると思いますが、この辺で合格点がとれるようになったら、ぜひほめてあげてください。

 そして最後の3回目は12月から1月にかけてやります。このときはもう3回目ですから満点が取れるようにします。今まで不十分だった問題もさすがに3回目になれば解けるようになっていいるでしょう。直前に、満点が取れるようになっているということが実感できると、子どもたちは試験に対して大きな自信を培えたということになります。

 ただ受ける学校すべてについて過去10年分3回やるということは、なかなか大変な勉強になります。また途中で受ける学校が変わったりしますから、第三志望、第四志望ぐらいになると、そこまでの勉強はなかなかできないでしょう。逆に第一志望とか第二志望はそう簡単に変えてもらっても困るのです。それだけ勉強を積み重ねているのですから、12月に第一志望を変えるというのは、とてもリスキーなことではあるのです。

 第三志望や第四志望については、1回だけで終わる可能性もあるかもしれません。それはそれで仕方がありませんから、直前期は時間を計りながらやってみてください。

 過去問の使い方としてもうひとつ、お勧めする方法があります。これは試験直前にスランプに陥った場合、本来できることがミスや勘違いを連発してできなくなることがあります。こういうときに難しい問題に挑戦しても、解決しません。ですから、少しやさしめの学校の問題を解いていくのです。その代わり、目標を80点台以上などと少し高めに置いておきましょう。やさしい問題がきちんとできるようになれば、だいたいの場合スランプは脱していきます。子どもの場合、精神的に動揺する要素は大きいので、逆に大丈夫だと思わせることが大事なのです。本来スランプとはもっている能力がなくなったのではなく、それを生かすことができなくなったことをさします。したがって、なぜ力がでないのかということに、焦点を絞らなければなりません。この場合は、「できる」という事実を積み重ねていく必要があります。子どものすることですから、ミスはつきものですが、それでも精神的な部分でずいぶん差が出てくるものです。「電話帳」と呼ばれる各中学の入試問題を収録した問題集がありますが、あれは結構便利な教材ですので、手元に置いておかれると良いでしょう。

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