中学受験で疲弊しないために、親子で楽しむ受験になるヒントを綴っていきたいと思います。
中学受験で子どもと普通に幸せになる方法
塾に振り回されていませんか
塾に振り回されていませんか(田中貴.com)
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家庭教師、個別指導は必要か?
最近は個別指導が流行しています。集団授業と違い、子どもに合った内容だけを学習することができますから、効率はよいと思います。ところが、受験に関して言えば、個別指導だけにするのは、あまり賛成できません。特に目標となる学校が具体的に決まっている場合はそうです。
なぜかというと、個別指導だけにすると、子どものペースに合ってしまって、目標のレベルにまで達しないことがあるからです。個別指導は子どものできないことをフォローするには大変有効です。ただ、子どもができないことに集中するために、そこに時間がかかってしまい、枝を見て、木を見ない状況が起こる可能性があります。つまり目標としては、ここまでのことをやらなければならないのに、ひとつできないことにこだわって、時間を使ってしまい、全体が間に合わなくなってしまう場合があるからです。
しかも、子どもたちは集団の中でいろいろな影響を受けます。できる子どもたちがいることが刺激になって、自分もそこまで行こうとがんばるケースは多々あるわけですが、個別指導だけにしてしまうと、その刺激がなくなってしまうのです。
学習は前にもお話したとおり、自学自習がまず大切です。しかし受験はあくまで情報戦ですから、試験にでるものを効率よく学習する必要があるのです。これはよくお話していたことですが、理科や社会ではよく出る問題は決まっています。統計的に言えばパレート最適というようですが、全体の20%がおこる事象の80%をしめるそうです。私の経験でいえば、出題範囲の30%が出題される問題の70%を占める感じです。しかし入試は満点をとるものではなく、合格点をとればよいのです。極端なことを言えば、ビリで入ろうとトップで入ろうと同じ結果でしかないのですから。どんな入学試験でも70点をとれば合格します。したがって良く出る30%をしっかり勉強することが、合格のコツなのです。
この情報はやはり塾が持っていると思って間違いないでしょう。塾では過去の出題を分析し、どの学校で何が出やすいのかという情報を整理して、カリキュラムやテストを作っていきます。ですから、そういう情報をしっかり持っている塾を選んで、その内容をきちんと教えてもらうことがまず重要なことです。私が中学受験の仕事を始めたころは、まだ情報が整理されておらず、教材もほとんどありませんでした。しかし、それから20年近くたって、今は非常に多くの教材があります。最近は学習参考書があまり売れなくなってきたので、本屋さんの棚に並んでいるものは少なくなりましたが、それでも子どもたちがやりきるに十分なくらいの参考書と問題集が並んでいます。したがって、この中から子どもの目標に合った、やり切れるくらいの内容を取捨選択しなければなりません。これは、やはり専門家に任せるべきで、そのために塾を活用しましょう。そうして出てくる内容を子どもが自学自習できるのが一番です。子どもの勉強はこれからもずっと続きます。したがって勉強のやり方を子ども自身が身につけることが非常に重要です。自分で学ぶというくせをつけておかないと、後からしっぺ返しを受けてしまいます。
ただ、どうしても、わからないところ、うまくいかないところは個別で学習した方が効果はあります。したがってデータを見ながら、どうしても必要であれば個別指導や家庭教師を考えるべきです。最近は塾が経営的に苦しい部分があるので、親に対してなるべくいろいろなものを買わせようという傾向が見られます。塾のいいなりになって、いろいろなものを買い揃えたはいいが、結局受験まで使わなかった問題集が出てきたりするものです。ですから、何が必要なのかは親が見極める必要があります。だからデータが必要だと申し上げたわけです。前にもお話したとおり、テスト塾が必要なのはこのためです。しかもできればホームの塾と違うテスト塾が良いのです。そしてできないところがはっきりしていて、しかもそれが目標の学校に良くでる範囲であれば、これは対策を講じなければなりません。でも、目標の学校に出ない内容をいくら勉強しても、受験としてはあまり意味がありません。例えば、文学史や口語文法などは最近ぐっと出題が減少しました。そして子どもたちも当然、こういう内容は不得意です。たまに模擬試験でこういう問題が出題されても、あまりできません。だからといってデータでそれが出てきたとしても、あまり出題されない内容なのだから、慌てる必要は何もないのです。特に目標校が具体的に決まっている場合、その学校に何が出るのかを親はちゃんと知っておくべきでしょう。高校受験になったら、親がそこまで関わることはなかなか難しいので、子どもたちにそういう方法をきちんとアドバイスしておくことが大切です。
成績が悪いから、すぐ、家庭教師とか個別とかを考える必要はありません。今までも多くの子どもたちが、そんな学習をしなくてもきちんと目標の学校に合格しています。本来受験は、子どもによい学習環境を与えるためにやることですから、その準備過程も十分に教育的である必要があるのです。今後の勉強に役に立つやり方を身につけさせてあげることが大切です。どうしてうまくいかないのかをもっと掘り下げて考えてみるべきでしょう。専門の先生に相談することも大切です。でも、最後は親が自分で判断して、何をさせるのか考えた方がよいでしょう。
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