goo

受験前にしておくこと

服装

 入試の服装に特に制限はありませんが、面接がある学校を受ける場合には、多少準備が必要でしょう。ブレザーを用意することが多いようですが。このブレザーはやはり秋に手にいれておかなければならないようです。(最近は試験前まで準備をしておいてくれる店が増えているようですが、どうしても試験前後は春物になってしまうケースがあるようです。)といって、男の子の場合、面接にネクタイは必要ありません。ワイシャツ、セーターで十分でしょう。

 面接がない場合の入試の服装は特にこだわる必要はありません。むしろ普段の格好でいいのではないでしょうか。ただし、暖房がきいているところとそうでないところがありますので、服装は着脱のしやすいものを考えてください。また、タートルネックのような首をしめる服装はやめておきましょう。試験中、結構、首回りが気になることがあるようです。外が寒い場合はマフラーで対応してください。

願書

 願書は10月には配布が開始されますので、手に入れておきましょう。できれば、書き間違いを考えて、2部くらいとっておく方がよいかもしれません。出願手続きは、同時期に重なりますから、学校別に分けて保管し、必要な書類や写真のサイズなどの表を作っておくと便利です。



内申

 最近は内申書、もしくは調査書の代わりに通知表のコピーで足りる学校も増えてきました。通知表のコピーを出したからといって特に不利になることはありません。内申が必要な場合、12月の中旬には書類を担任の先生にお願いしておきましょう。3学期になってすぐ、出願受付が始まりますので(東京の場合です。関西や千葉、埼玉は12月に出願ですからより早めにお願いしておかなければなりません)、すぐ受け取れるようにお願いしておきます。

 内申の内容が入学に大きな影響を及ぼすことはまずありません。内申で問題になるのは出席日数ならびに大きな疾病があるかということです。ただし基本的に学校が考えるのは、入学しても通学できると親が考えて出願しているのだろうという前提です。もし、そのような重大な疾病がある場合は、むしろ事前に学校と相談しておかなければいけないかもしれません。

 以前、私の教え子に手に障害のある子どもがいました。どうしてもある学校を受験したいのだが、面接があるので、その障害で入試で不利になってしまうのではないかと相談を受けました。そこで私はお母さんに学校に問い合わせていただくことにしました。いろいろ悩むよりは、直接相談した方が良いのです。不利になるときは、はっきりわかりますから、受験しない方が良いかもしれません。さてその学校では試験前に、校長先生がその子どもとお母さんに会ってくださいました。

「笛は吹けるのですか?」

「はい、特別な笛を作っていただいていたので、大丈夫です」

「そうですか」

 それからその校長先生は、その女の子の手をとって、いくつか質問をなさいましたが、最後ににこっと笑って、

「大丈夫ですよ。この手が不利になることは一切ありません。ぜひがんばって受験してください」

と声をかけてくださったそうです。隣でお母さんは本当に涙が出るほどうれしかったとおっしゃっていました。

 結局、彼女はがんばって合格し、今は看護婦の道を歩んでいます。

 学校は、これらの問題に関してていねいに対応してくれますから、何か不安なことがあればぜひ相談してください。



写真

 出題に必要なものに写真があります。これはやはり、専門の写真館で撮ってもらった方がよいでしょう。学校によって、写真のサイズが違いますし、また入学後の手続きでもまた写真が必要ですから、ネガをとっておいてもらう必要があるからです。

 多くの学校では、カラー、白黒どちらでも可ということになっています。本当にどちらでもかまわないので、お好きな方を選んでください。撮影する時期は11月から12月でしょう。



出願書類

 出願書類には、いろいろと記載する事項があります。出願理由などを書かせる学校もありますし、併願校を記入させる場合もあります。これは、聞く方にも多少問題があり、私はやめた方がいいのにと思います。ただ、聞かれる以上、どう答えればいいかと相談を受けます。私は、「正直に書けばよいでしょう」と申し上げています。その学校より難しい学校を書けば、滑り止めとわかってしまうと気になさる方がいらっしゃいますが、そんなこと、学校は十分承知した上で、受験日を設定していますから心配はいりません。それが合否にかかわることもないのですが、学校側として併願校を聞くことで、だいたいその学校の今年のレベルを知りたいという本音があるようです。

 緊急連絡先をどこにするかという質問もよく受けました。これは書類等の不備や、試験後の連絡先として、まず学校はご自宅に電話をかけますが、もしご不在の場合、次はどこにかけたらよいですか?という質問ですので、たいていはご両親の勤務先をお勧めします。祖父母の住所を書かれる方もいらっしゃいますが、かえってわかりにくくなってしまうかもしれませんから、やはり勤務先を書かれるのがよいでしょう。



スケジュールの確認

 東京の場合ですと、2月1日から5日までの間に受験していきますが、当然その間に合格発表と入学手続きがあります。この締め切りは絶対に間違わないようにしてください。ある学校で、合格者が時間を間違えて合格書類を決められた時間に取りにいかなかったことがありました。この場合、この合格はその時点で取り消されます。あとから、いろいろと学校にご相談したのですが、やはりこれは規則だから曲げられないと言われました。参考までに他の学校にも聞いてみたのですが。やはり同じ回答でした。ですから、事前に合格発表時間、入学手続き時間等を調べ、子どもの行動計画とともに、親の行動計画もきちんとたてておく必要があります。場合によっては、両親で動かなければならない日もでてくるでしょうから、注意が必要です。また入学金等の払い込みにも注意が必要です。合格して払い込むまでの日数は、学校によって異なります。その間に、第一志望に合格して払わなくてすむ場合もあるものです。よく調べると20万~30万円はすぐに変わってしまいますから、十分に注意が必要です。



下見

 自宅から学校までどのくらいかかるかは、一度下見をしておいた方がよいでしょう。特に朝は時間がかかりがちですし、最低二つくらい行き方を考えておいた方がよいかもしれません。ある年、入試の日に、山手線が人身事故で止まったことがありました。タクシーに乗り換えたり、地下鉄に乗り換えたりして、大変だったようです。この年は、無事全員が集まったので、開始時間を遅らせる処置はとられませんでしたが、いくつか行き方を考えておくことは大事です。

 その際、自家用車は考えない方がいいでしょう。電車で大きな事故があった場合、その事故でこれなかった受験生を対象にした特別処置がとられますが、自動車の渋滞で遅れた場合、特別処置はとられません。あくまで徒歩と電車で向かわれることをお勧めします。





 2月はよく雪が降ります。雪の場合、電車が止まったり、遅れる場合がありますので、普段より早めに出かけるようにしましょう。またすべらない靴を用意してください。面接用の靴はもっていけばよいのですから。

 ある年、ひどい雪の中、入試応援で女子校の前に立っていたら、慌ててお母さんと女の子が走ってきました。ところが、校門のところが少し坂になっていたので、お母さんがすべってころんでしまいました。ヒールのある靴を履かれていたのが失敗です。十分に気をつけてください。



面接の練習

 最近は面接をする学校が減ってきました。しかし、女子の学校ではまだ、面接が行われているのです。面接はいったい何のために行うのでしょうか?

 何人かの校長先生に伺ったところでは、やはり一番大きいのは、志望の気持ちを確かめるということです。学校というのは、どんな学校でも自分の学校を第一志望にしてくれることはうれしいことです。できることなら、自分の学校にぜひ入りたいと思っている子どもたちを入学させたいと思っています。しかし、受験する方は、そんなことは百も承知ですから、もちろん第一志望であると言う場合がほとんどでしょう。ですから、こんな面接はあまり意味がないと、やめてしまう学校もあります。

 ある学校では、一次の筆記試験の合格者に対して、二次で面接を実施します。これが一度目は本人と、二度目は両親と本人を交えて行う形をとっています。これだけ念入りにやって何が問題なのかというと、やはり志望順位だそうです。そこまで面倒な面接をやれば、ほかに志望がある子どもは、こなくなります。本当に入学したい子どもたちを集めたいというので、この面倒な試験は行われているようです。

 塾では面接の特訓をしています。この面接特訓は意外に大事だと思います。だいたい今の子どもたちは面接なんかしたことがないですから、いったい何がおこるか、わかりません。一度はシミュレーションをやってみるとよいでしょう。塾でやってくれない場合は、家庭で予行演習をやってもよいでしょう。



受験票

 前日に持ち物をチェックしますが、絶対に親が準備してはいけません。試験会場に、親が入ることは許されていません。会場に入ったら子どもが何事にも対応しなければならないのです。したがって持ち物についても、事前に本人にチェックさせましょう。もちろん、親が一緒に見ておくのは必要ですが。

 さて、受験票をもし忘れたら(もちろん、そんなことはめったにないことですが。でも途中でなくすということはあるかもしれませんね)、絶対に家に戻ってはいけません。忘れたことに気がついてもそのまま試験会場に向かってください。むしろ、その遅れで開始時間に間に合わないことの方が問題です。すでに書類は学校側に出してありますから、本人であることの確認がとれれば大丈夫なのです。どの学校もこういう点に関しては適宜対応してくださいますので、慌てて戻らず、そのまま学校に向かってください。

中学受験 合格して失敗する子、不合格でも成功する子
クリエーター情報なし
講談社

中学受験、合格して失敗する子、不合格でも成功する子電子版


コメント ( 0 )