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修学旅行

5年生になると、学校でいわゆる修学旅行があります。5年が海、6年が山という学校もあれば、その逆もあるそうですが、いずれにしても子供たちにとっては楽しい旅行でしょう。

 中学に入ればクラブ活動があり、その合宿もあるでしょうが、最近はあまり行われなくなったのでしょうか。今の子どもたちは、兄弟が少ないので、たくさんの子どもたちと同じ部屋で寝泊りするということは、めったにありません。枕投げもやったことはないでしょう。(最近は、ぜんそくのひきがねになるので、枕投げは禁止だそうですが。)

 ある日、塾でこんな相談を受けました。

「夏期講習が、林間学校で受けられないので、林間学校を休ませようと思いますが」

これは、塾としては大変ありがたい話なのですが、ちょっと視点が違うと思うのです。この子にとって6年生の修学旅行は一生に一回しかありません。まして公立の学校から私立に行くわけですから、今の友達とは別れてしまう可能性が高いのです。

 だから、この子にとっては6年生の林間学校は、今の友達と行く最後の林間学校。塾の講習は、他にも方法があるでしょうが、林間学校はこれしかないのですから、できる限り行くべきではないかと思います。

 修学旅行というわけではないのですが、塾でも合宿がありました。特に、2~3年前から始まったバス一台分のミニ合宿はとても、おもしろいものでした。たいていは金曜日の夜から出かけていって、土曜日一日遊んで、もう一泊し、日曜日の夕方に帰っていく日程でしたが、授業をやるだけでなく、いっしょに遊ぶのがおもしろかったものです。

 子どもたちとの距離が一気に短くなるのがこういう旅行でした。いっしょに過ごすことで、子どもたちはまたいろいろな表情を見せてくれますから、コミュニケーションをより深くできるようになります。

 つい最近、私は中学1年生から高校3年生といっしょにスキーにでかけました。今回のツアーは、授業はなし。ただし、夜は自分で勉強するし、質問は答えるというもの。昼はとにかくずっとスキーです。高校3年生たちは私が小学校のころに教えた生徒たち。ずいぶん大きくなりました。私はあまり、スキーは得意ではないので、何とか降りれる程度。それでも子どもたちといっしょに、がんばりました。私よりスキーの上手な子どもたちもいますから、彼らについていくのは大変です。でも、逆に彼らはずいぶん気を使ってくれて、いろいろ手伝ってくれました。

 夜、すき焼きを囲みながら、(残念ながらアルコールは一切ありません)、子どもたちといろいろな話をしました。小学校のころの話に始まって、今の学校のこと、これからの勉強のこと、大学のこと、将来のこと、それぞれがいろいろと話してくれました。私はどちらかというと聞き役です。図体の割にはまだまだ、幼く感じる部分もあるのですが、しかし、これから経験していくわけですから、それはそれで楽しみな話です。

 そのあと、彼らは自習室にもどって勉強しています。英語の質問に答えながら、彼らの姿を見ていて、この6年間というのは本当に大切だなと改めて思いました。中学1年から高校3年まで、この6年間、子どもはずいぶん大きな変化をします。男の子でいえば少年から青年へと変化していくわけですが、内面的なものがずいぶん変わっていくというか、成長する範囲がいろいろあるのです。だから、良い時間を送ってもらいたい、できる限りよく考え、いろいろな体験をしながら、成長してほしいと思います。

 そういう中で、短い時間であったとしても24時間、友達や先生と過ごす旅行は、実に多くのものを子供たちに残してくれます。だからこそ、こういう時間は、なるべく大切にしてほしいと思います。

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