goo

「この問題、おもしろいんだ」(田中貴.com)

「この問題、おもしろいんだ」(田中貴.com)

お知らせ

12月から田中貴.com通信を発刊します。登録は以下のページからお願いします。無料です。

田中貴.com通信ページ
コメント ( 0 )

学校説明会・文化祭のポイント

 2学期にはいると各校で学校説明会が行われます。同じ日程、時間にかなりの数の学校が重なります。予定をしっかりたてておかないと、つい行きそびれるということがあるかもしれません。しっかりスケジュールを書き込んで、準備しましょう。念のため、ホームページで確認したり、学校に電話で問い合わせてください。

 学校説明会は近年、非常に多様化してきました。校長先生が説明するだけではなく、授業見学会があったり、クラブ活動を紹介してくれたり、子どもたちが学校を経験できるオープンキャンパスのような企画もあります。

 これらの説明会はぜひ出かけて、情報を集めてください。

 まず聞いておかなければならないことは、学校のトップの話です。学校の責任者がどういう目標をおいて、学校運営をしているのかは、よく聞いておかなければなりません。

 私学というのは、特別な教育目標があってできた学校です。その目的にしたがって寄付行為が起きて、設立されるのです。その中心は宗教法人、企業、個人などいろいろです。一般に宗教法人はわかりやすいと思います。キリスト教系でもカソリック系、プロテスタント系など背景となる宗教法人はいろいろです。

 ただ、これらの宗教法人による学校は、信教を強制することはまったくありません。もちろん、布教の目的はありますから、たとえば聖書の時間とか座禅の時間とか、あるところもあります。ただ、だからといって信者でなければ受け入れないということは一切ありません。

 問題は、その学校がいったい何をやろうとしているのかということをしっかりつかむということが大事です。よく、学校を訪問して、いろいろなお話を伺うのですが、宗教法人がバックグラウンドにある学校は育てたいという人間観がしっかりしていることが多いようです。これはある意味、宗教法人だからこそという面もあるかもしれません。

 一方、宗教とは一切関係がない学校法人もあります。企業が学校法人を作った場合は、どちらかといえば、人材の育成に力点があります。国際的な視野を持つとか、自由な想像力を持つとか、それぞれの企業が考える人材像があります。

 これらの話がしっかり出てくる学校は信頼がおけます。それが自分の子に合うか、合わないかという問題はありますが、少なくとも判断ができる話をしてくださることは大変ありがたいことです。

 ただ、最近は大学の合格実績の話をする学校が増えてきました。もちろん出口がどうなるのか、当然気になるところではありますが、そればかりというのも魅力がありません。これから公立の中高一貫校が出てきます。当然、公立という制約はあるものの、新しく生まれてくるわけですから、それなりの特徴をかねそなえてくるはずです。これからの少子化の時代では、学校は自分の特徴をアピールできなければ、生き残れません。その意味で大学の合格実績が魅力にはなりません。当然のことながら、優秀な子供たちが集まった学校は特に何をしなくても、進学実績は良いのです。それにそういう学校がある年、実績が悪くても、次の年は浪人が合格するので、実績が戻りますから、その増減に気を使う必要も本当はありません。 よく春に東大の合格実績が良いと、その次の年の入試が難しくなるという風潮がありましたが、私は、あまり意味のないことだと思っています。

 学校というのは、それだけではないのです。もちろん勉強の指導も大事ですが、いろいろな可能性を開いてくれるかどうかが大事なのです。

 その意味では文化祭も非常に役に立ちます。

 子どもたちがある意味自由に作っている文化祭は、明らかに活気があります。活気があるということは、子どもたちの想像力が引き出されているということです。演劇があったり、いろいろなイベントがあったり、ごらんになるとよくおわかりになると思います。

 男子御三家の文化祭に行ってみると、まあ、よくここまでごたごたしているなとあきれる一方で、やはり大きなエネルギーを感じます。何か、やりたいことを思いっきりやろうという子どもたちの意思があるのです。子どもたちは当然、誰しもがそういうものを持っているのですが、それが引き出されるかどうかは、やはり学校の環境だと思います。見比べてみると、それぞれ校風の違いがはっきりします。整然と行われているのは、やはり学校側のおさえが利いている学校。管理型といっても良いかもしれません。逆にがちゃがちゃしているのは、子どもたちの意思を割と尊重する学校であることが多く、子どもたちが楽しそうにやっています。

 同じことは体育祭や運動会にも言えます。開成の運動会は有名ですが、男子校の荒っぽさがいい意味で出ています。

 文化祭はぜひ子どもといっしょにでかけてください。子どもたちは文化祭に行けば、自分の興味に合った展示物を見たいものです。将棋が好きな子は、将棋部で将棋をさしたいでしょうし、サッカーの好きな子はやはり試合を見たいでしょう。これはこれで大事な視点です。小学校6年生にもなれば、自分の好きな分野はある程度あります。もちろんそれがずーっと続くのかどうかはわかりません。しかし、自分の好きなクラブや同好会があるだけで、その学校に入りたいという動機付けがでてくるでしょう。

 一方で、お母さんが見ておかなければいけないのはその学校の生徒の様子です。ただここで見ておかなければならないのは、躾が行き届いているとか、身だしなみがいいとかいうことではなく、お子さんに合うだろうかという点です。 お子さんが本当に楽しんで通えるかどうかは、非常に重要です。

 活発な子どもの場合は、やはり放任型の方が学校生活は楽しいに決まっています。その分、どこでブレーキがかかるのかは親として心配なところ。だから学校の先生方が子どもたちにどう関わっているのかしっかり見届けておかなければなりません。放任型にも2つタイプがあって、学校の先生がまったく無関心である場合と、しっかり目を配りながらしかし、子どもたちの意思を尊重する場合があります。当然、親としては後者の方が安心です。ですから、文化祭の中で先生方がどう動いているのかを見てみると、その学校のカラーがはっきりすると思います。

おとなしい子どもの場合、人数が多く、自由放任の学校だと埋もれてしまうことが多く、その子の可能性を引き出すチャンスが少なくなる可能性があります。したがって、そういうタイプの子どもたちが、どんな役割を文化祭で担っているのか見ておくと、とても参考になります。なんとなく晩成(おくて)だなと思われるタイプの子でもいきいき活動していれば、それなりにケアが行われているのでしょうし、そうでなければ、やはりお子さんには合わないかもしれません。

 文化祭は、お子さんがこの学校にきたら、どんなことをするだろうか?ということを考えながら、ごらんになってください。きっとあの子のようになるだろうなというイメージがわいて、それがとても素敵に思えたら、その学校は多分お子さんには合う学校だろうと思います。お母さんのそういうイメージはとても大切ですから、ぜひしっかりご覧いただきたいと思います。

 お帰りになったところで、もう一度整理してみましょう。そして、学校別にデータをまとめながら感じたことをメモしていかれると良いでしょう。



 これは学校情報とともに時系列で書かれていくと良いと思います。説明会、文化祭、普段の日、だんだんその学校との付き合いが増えていくにつれて、いろいろな点が見えてきます。そのデータの中から、やはり子どもに合うという学校を選んであげてください。
コメント ( 0 )