ごしょらくさん

後生楽的爺さん、我が道を往く

てぇへんだ! 

2024-09-21 16:54:36 | field and mountain
「親分、てぇへんだ!てぇへんだ!!」


「どした?ハチ、そんなに慌てふためいて」


「そ、そ、それが・・・あわわわわ・・・」


「まぁ落ち着け!幽霊にでも出くわしたか?」


「そじゃありませんや、と、とにかく、こっちに来て見てくだせえ」


「お〜っ!こりゃぁオメェ、お尋ね者のコウタケじゃぁねぇか!」



「でかしたぞ、ハチ! 早くビクを持って来てこ奴等をしょっ引け!」


「でへへへ・・・お褒めを頂き恐縮でやんす、が、生憎こいつ等を入れるビクが無ぇんでげす」

「ビクが無ぇだとぉ?確かオメェ、出がけに大八車にビクを積んでたじゃねぇか」


「それがですね、親分がしょっ引いた下手人どもで満杯で使えないんでやんす」

「そんな雑魚ども、十把ひとからげで大八車の荷台にでもぶちまけて置け!」




「こりゃ1貫目位はあるか?」



「さてと、こいつの天ぷらは実に美味じゃから、半分お奉行に差し上げるとすっか、ハチ、面倒でも届けてくれんか」


「そうじゃ、最近キックバックがどうしたこうしたと世間がウルさいからのう、そぅっとお届けするんじゃぞ、よいなハチ」


「それからのぅ、今晩こいつでいっぺぇ飲るから、届け物の帰り際、ちょいと酒屋に寄って一升買って来てくれ」





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