つい先日のこと、カミさんがどうしてもキノコ採りに連れて行けと仰るもので、渋々(足手まといなんだな)ながらカミさんを伴いお山へと。
道端に捨てられた「ハマビラタケとカラカサタケ」
とある林道に一台の軽っトラが止まっており、その少し前方に車の持ち主であろうと思われる人物がキノコ探しの真っ最中。
「何か採れましたか~?」と呼びかけると、60代後半であろうと思われるオッサンは、「いやぁ、今年はキノコがデカク出ているわ!」と満面の笑みで答えた。
そのオッサンはオイラとカミさんに向かい、「キノコの判別ができるかい?」と聞くから、「それほど詳しくはないがそこそこは判る」と言ってやった。
するとオッサンは斜面から駆け下りて来ると、軽っトラの荷台に乗せてあったカゴの中身をどうだ!と言わんばかりに見せ、キノコの鑑定をしてくれと仰る。
「イッポンカンコウ(ウラベニホテイシメジ)をこんなに採ったのは初めてだ」と、興奮気味で語るオッサン、その顔は自信と自慢で溢れている。
篭の中身を見ると、ウラベニホテイシメジは僅か1本のみで、その殆どがクサウラベニタケ。「オジサン、こりゃ殆ど毒キノコばかりでっせ」
その途端、おっさんはムッ!とした表情を浮かべ、「この軸の細い物は確かにクサウラベニタケだが、この軸が太くてしっかりしたヤツはイッポンカンコウに間違い無い!」と主張する。
「だから~軸が太かろうがしっかりしていようが、毒キノコは毒キノコだっせ!」
「イヤっ、そんなこたぁねぇ!コレはイッポンカンコウだ!」
「そんなにせう(言う)んだったら、今晩お食べになったら?」
「そうか~ やっぱり違うかな?」と疑いながらも、折角採ったキノコが勿体ないとでも思ったのか、「イヤ、コレは絶対食べられる」と言って譲らない。
「だったら、聞くな!」
何を言っても聞く耳を持たないようだから、それに、こんなオッサンの相手をしている暇はオイラには無い。「お好きにどうぞ、ほな、サイナラ」とその場を後にした。
「あのおっさん、今晩、ゲロゲロピーピーに間違い無い」。
先日、毒キノコで重体となった方の話題がTVニュースで流れた。その後、気の毒な事に亡くなられたそうだ。
まっ、クサウラベニタケなら多少具合が悪くなるだけで命に別状は無いようだから、人間聞く耳を持った方が宜しいようで・・・
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