ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

DAY2 北海道/ 芦別から赤平、滝川、美唄へ 『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年11月03日 | 自転車の旅 国内
快晴、微風、週末。
11月3日文化の日。
きょうは晩秋の北海道北部には珍しい、完ぺきな自転車日和なのだ。

良い天気すぎる。

きょうも空知川に沿ってゆっくりと南下する。

富良野あたりで橋脚の工事をしているせいだろう、川は今朝も雨上がりのように濁りがある。

芦別から30kmほど、赤平市などを経て滝川市あたりで空知川は石狩川に注ぐ。

当初僕は空知川、石狩川に沿って日本海まで行ってやろうと漠然と思っていたのだけど、ちょうどいいあたりで今夜の宿泊を予約することが出来なかった。
きょうは11月3日文化の日。祭日である。
しかも紅葉の最盛期。
しかも北海道は「観楓会」なるものの季節なのである。

観楓会。かんぷうかい、と読む。寒風じゃないぞ。(たぶん、掛けているとは思う)

一年の農作業が終了するこの季節。

北海道の農家さんはこの時期に慰労を兼ねて友人や仕事仲間や家族と、温泉などに行って2、3日のんびりする、という、まことに正しい風習があるのだ。

観楓会。また名前がいいではないか。

慰労会では「そのまんま」すぎる。すっかり慰労されちゃった酔った上司なんかから「君、明日からまた頼むよっ!イェーイ」なんて肩叩かれたりして余計に疲労してしまいそうだ。

慰労会ではいけない。やはり観楓会じゃないと!

「紅葉が綺麗ですわね」
「そうですわね」的な、ユルユルがいいではないか。
「あなた、おつかれさま。一杯いかが?」
「うむ。もらおうか」的な、妄想感もあって、なかなかいいではないか!

砂川市内にて、どこかのお寺。

この季節の北海道の温泉などは、この観楓会が盛んに行われてなかなか予約が取りにくい。
地域のローカルな温泉宿ならなおさらだ。
祭日ならば、空室があるほうがおかしいくらいだ。

したがって僕は月形町唯一の宿泊施設「月形温泉」の予約が取れず、したがって交通量の多い国道12号線をダラダラと南下する羽目になっている。

ここから石狩川は見えないなあ。

芦別からは赤平市、滝川市と比較的賑やかな風情があった。
途中の赤平市も芦別市と同じく炭鉱で栄えた町だったのだが、いまは静かでシックな感じの緑の多い町だった。

写真は西から東に向けて撮っているけど、東から西に見たときはニュージーランドのジェラルディーンみたいだと思った。

ジェラルディーン、どこだよ!?って感じだけど、ニュージーランド南島で僕の好きな町のひとつなのだ。
美味しいチーズアイスクリームの店があるぞ。

赤平市はなんだかお洒落な感じだなあと思っていたら、
なんだ!
なんなんだ?

赤平城発見。

戦国時代かよ!

やっぱアレだろうか。
あの時代の市議会議員のおじ様たち。
隣の市の例のアレに影響されちゃって、

我が赤平市も負けてなるものか!的に、
やっちまったのかな?

まあいい。見なかったことにしよう。

炭住、と呼ばれる炭鉱作業員の社宅がいまも残っている。

まあ、昭和の時代の市営住宅みたいなものだ。

赤平市と滝川市はベッドタウン的な近さで、あっという間に石狩平野の真っ只中に出てきた。

空知川を渡る橋。

「直線道路日本一29.2km」なんだそうな。

確かにこの先、美唄市まで、景色もほとんど変化なく、ひたすら真っ直ぐな、

かといって何か面白い発見があるわけでもなく、
交通量もそこそこ、人口もそこそこ多い町が途切れずに繋がっている感じで、ただ無心でペダル漕いでる感じだった。

滝川、砂川、奈井江、美唄。
国道12号線の沿線は、やたらデカいお寺が多かった。
どのお寺も立派な葬祭場を併設していて、セレモニー会館的なビジネス感が半端ない。

熱い寺ビジネス激戦区とみた!

そんなこんな、なんやかやで、
まっすぐな道の終点、美唄市に至る。
名物『美唄焼き鳥』も食べたいし、
キリもいいので、ここで宿泊する。

唯一、難なく予約することが出来たビジネスホテル。

侘しさも半端ない。

しかも、祭日ということで飲食店街はシャッター通り。美唄焼き鳥が一気に遠のく。
僕の気も遠のく。なんのための美唄なんだよ?

仕方なく、コンビニへGO

精一杯の贅沢をしてみた。

んー、
全然、観楓会じゃないなあ。

湯呑みで飲むウイスキーは苦い。

てゆうか、なぜ禁煙の部屋に灰皿があるんだよ?

酔ったか俺?

本日の走行距離、52km。