象潟(きさかた)は、もともと無数の島々から成る松島のような景勝地だったそうで、当時の様子は古今和歌集や奥の細道(松尾芭蕉)にも登場する。
しかし、江戸時代末ごろ鳥海山の噴火活動とそれに前後した地震によって海底が隆起、以来、平地となり、かつ美田となり、今に至る。
どうりて、あちこちに「島」のようなこんもりとした松の小山があると思った。
象潟を出発する。
今朝も鳥海山がよく見える。
国道7号線を南へ
日本海に並走する。
少しずつ
鳥海山が離れていく。
一時間ほど走ると秋田県/山形県の県境を越えた。
県境付近は標高100mに満たない程度の峠道。
山形県に入ってからも道は広く、歩道も状態良く、
安心して走れるが、
油断召されるな。
たびたび歩道は突然消えて、自転車は縁石から落下する。
国道7号線は風車街道だ。
あちこちに無数の風車が、ゆるゆる回っている。
きょうも良い風が吹いている。
買い食いもまたチャリ旅の楽しみ。
道の駅で買った、かあちゃんの「あんこ餅」
ふっわふわ。
綿みたい。
齧ると、あんこがニョキ出してきた!
うまうまー!
さすが、米どころ。
川を覗き込むと、
無数の鮭が産卵のため遡上していた。
コイじゃないぞ。
北海道と同じだ。
なななな!
なんなんだ君たちは!
カモじゃないな。カイツブリ?やっぱカモ?
もしかして、鮭の産卵と関係あるのカモ?
イクラ流れてくるカモ?
俺も仲間に入れてほしいカモ。
最上川を渡る。
酒田市を経て、鶴岡市に向かう。
鳥海山と、美田と。
このあたりの田圃には、凄味さえ感じる。
酒田市と鶴岡市の間は、
自動車道っぽいところが多くて緊張した。
山形県鶴岡市といえば、
藤沢周平の作品の中にたびたび登場する、
「海坂藩」という架空の藩の舞台と言われている。
庄内藩の藩庁「鶴ヶ岡城」がある。
なんだか楽しみだ。
明日は雨だという。
ここ鶴岡市で2泊して、のんびりしよう。
本日の走行距離、59km。